寒い日の朝は心身共にエンジンがかかりにくいですよね。本日はそんな時に試してほしいヨガの呼吸法を紹介いたします。少ない回数でも体が温まって、やる気が出てきますよ。
ヨガでは呼吸を大切にする
ヨガのレッスンを受けると「ヨガでは呼吸を大切にする」という言葉をよく耳にします。
ヨガの修行法の中にプラーナヤーマ(pranayama)といわれるものがありますが、日本語では「呼吸法」と訳されます。ただし、このプラーナヤーマの意味合いは単なる呼吸活動・運動だけではありません。プラーナといわれる生命エネルギーを、呼吸活動や運動(ヨガのポーズ)を通じて体内に拡張させて心身を整えるといった具合です。
呼吸を正しく行うことはポーズの持つ効果を高めたり、自身の日常を整えるということにもつながっていきます。だからこそ、ヨガにおいて呼吸はとても大切なものとされているのでしょう。
呼吸筋とは?
呼吸活動はどのように行われるのでしょう。
呼吸の動作を行う際に使われる筋肉のことを呼吸筋といいます。平常時の呼吸では呼吸筋は「息を吸う」時に使われます。主に横隔膜や外肋間筋がその役割を担います。息を吸う時にこの筋肉が伸びることで胸の中が広がり、吸気が入りやすい状態になります。そして吸う時に使った筋肉を緩めていくと、胸の中の空間は自然と縮まるので息を吐けるようになります。
イラストAC × PhotoScape X
息を吐く時には特に強い力で呼吸筋を使うわけではありませんが、意識して深呼吸をする時や激しい運動の直後は腹筋群(外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)には力が入ります。ここを締めることでお腹が凹み、息を外に出すサポートをしてくれます。
呼吸筋が衰えると酸素を十分に取り込めずに呼吸は浅くなってしまいます。このことが原因で感染症のリスクが高まったり、酸欠症状が起きやすくなると考えられています。
日頃は特に意識をしない形で呼吸を行っていますが、時には呼吸筋を使うことを意識して深い呼吸をしたいものです。
【簡単バストリカ呼吸】を実践してみよう
バストリカ呼吸法とは、別名を「ふいごの呼吸・火の呼吸」と言います。
体の中に火を起こすようなイメージで呼吸を繰り返し、吸う息も吐く息も強めに行うので呼吸筋がしっかり使われます。
寒い日の朝に実践すると体がすぐに暖かくなり、交感神経が優位になりやすいため心身共にシャキッとすることが出来ます。
今回実践するのはこのバストリカ呼吸法を初心者の方でも無理なくできるよう、腕の動きと一緒に呼吸をしていきます。
実践方法
(1) 胸やお腹の中が動きやすくなったと感じたら、腕を上げながら息を吸う。
(2) 肘を曲げながら腕を下ろし、息を吐ききる。
Photo by Sayaka Utsunomiya
少ない回数からゆっくり始めていきましょう(5回程度から)。いきなり強く呼吸をする必要はありません。
慣れてきたら、ほんの少しずつでも「しっかり吸う・吐く」を行ってみてください。
腕を上げ下げする際に首肩に力みが入りすぎないようにしましょう(上記写真右NGのような状態にならないように)。
注意事項
以下の場合は心身に負担が掛かりすぎる可能性があるので気をつけましょう。
・起床後すぐは呼吸筋や周囲の筋肉も硬いため、起きて少し経ってから実践してください(あるいは軽くストレッチをした後に行います)。
・目まいなど、体に違和感を感じた時は中止してください。血圧に関する疾患がある、妊娠中、生理中の方は実践を避けましょう。
・食後に行うとお腹が苦しくなる可能性があるため避けましょう。
・寝る前に実践すると逆に眠りにつきにくくなる可能性があるので避けましょう。
呼吸法の詳細は以下動画からも確認いただけます
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宇都宮明香/福岡市 【オタクのヨガ講師・物書き】(@yoga_sayakalavinka)がシェアした投稿