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GW明けの“なんとなくしんどい”は、実は五月病のサインかも?精神科医が教える五月病の対策

精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

こんにちは、精神科医しょうです。長い連休が終わり、またいつもの日常が戻ってくる。でも朝起きるのがつらい、なんとなく気分が沈む、仕事や家事に身が入らない。そんな「理由はよくわからないけど、しんどい」感覚、あなたにもありませんか?それは、もしかしたら五月病のサインかもしれません。

「五月病」って何?

あなたは「五月病」という言葉、聞いたことがありますか?「五月病」とは、新生活の始まる4月に感じる環境の変化や新しい人間関係からくるストレスや緊張が、5月に入ってから心や体の不調として表れやすくなる状態を指します。たとえば、こんなケースがよく見られます。

・入学や就職、転職で環境が大きく変わった
・新しい人間関係の中で気を遣い続けて疲れてしまった
・慣れない生活リズムのまま連休を迎え、連休後にエネルギー切れ

特にゴールデンウィーク明けは、張り詰めていた緊張がふっと緩むことで、心や体に不調が出やすくなります。また、五月病は医学的に認められた正式な病名ではなく、一般的には環境の変化による「適応障害」と診断される事も多いです。

五月病のサインとは?

では、どんな症状があると「五月病かも?」と気づけるのでしょうか。あなたは以下のようなサインに、心当たりはありませんか?

【心と体のサイン】

・やる気が出ない→何をするにも腰が重く、面倒に感じてしまう
・憂うつな気分が続く→気分が沈んで、何をしていても楽しく感じられない
・理由のない不安やイライラ→小さなことにも敏感になり、感情が不安定になる
・眠れない→寝つきが悪い・何度も目が覚めるなどの睡眠の質の低下
・身体がだるい、疲れやすい→しっかり休んでも疲れが取れず、倦怠感が続く

【行動のサイン】

・会社や学校へ行くのがツライ、行きたくない→朝になると強い憂うつ感が出たり、体調不良を感じる。
・仕事や家事に集中できない→目の前のことに取り組もうとしても、頭がぼんやりしてしまう。
・趣味や楽しかった活動に興味がわかない→好きだったことに手が伸びなくなる。

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AdobeStock

これらは、心が「ちょっと休ませて」と訴えているサインです。そのため当てはまっていても「こんなことで弱ってる自分はダメ」と責める必要はありません。危険なのはこのようなサインを無理をして見過ごしてしまう事。その結果、症状が長引いたり、心の病に進んでしまうこともあります。そのため、もしあなたも心当たりがあるならば、次のような対策を試してみてください

五月病の対策

①頑張りすぎない・休む勇気を持つ

「こんなことで疲れてるなんて情けない」と、自分を責めてしまう人は多いですが、そんなことはありません。小さな「できた」を見つけて、「よし、今日もよくやった」と自分を認めてあげましょう。「完璧じゃなくていい。ペースダウンしていい」と心にブレーキをかけることは、前に進むためにも大切なステップです。

②規則正しい生活に戻す

連休中に乱れた生活リズムを整えることも、心の安定にはとても重要です。
・なるべく同じ時間に起きて、朝の光を浴びる
・軽く体を動かしたり、バランスの良い食事をとる

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それだけでも自律神経が整い、気持ちが前向きになっていきます。このような自分でできる対策をしても、「どうしても気持ちが晴れない、生活に支障が出ている」そんなときは、心療内科やカウンセラーなどの専門家に相談することも大切です。「相談するほどじゃないかも」と思っても、遠慮しなくて大丈夫。少しずつ、自分のペースを取り戻していきましょう。

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