今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
感覚のスパーク
今週のさそり座は、「宇宙が日常に宿る」という逆説を体感していくような星回り。
『レモンスカッシュ飲めばさはさは銀河鳴る』(仙田洋子)という句のごとし。
掲句では「レモンスカッシュを飲む」という行為が、突然「銀河鳴る」という宇宙的なイメージにつながる飛躍をみせ、読者はそこで思わず息を呑むはず。ここで起きているのは、一種の感覚のスパークであり、視覚や味覚の刺激が、聴覚や嗅覚、さらに宇宙的想像力をも誘発したのです。
あなたもまた、微細な日常感覚こそが宇宙的想像力の震源地なのだということを、改めて痛感していくことになるでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
おのずと道ができていく
今週のいて座は、「精神の星座」ができあがっていくさまを、ただただ待っていこうとするような星回り。
心理療法家の河合隼雄の京都大学退官記念講演「コンステレーション」には、河合が心理療法家としての資格をとったユング研究所の先生であったC・A・マイヤーについて興味深いエピソードが述べられています。
一般に心理療法を実施するということは、時には忠告を与え、時には来られた人の気持ちをちゃんと反射してあげたり、行動や事態の意味を解釈してあげたり、いろんな仕事をしている訳ですが、このマイヤーという人はより特別なことをやっているのだと。彼に何をしているのかとたずねると、「(クライアントの自己実現のプロセスを)コンステレートするんだ」という言葉が返ってきたのだそうです。
あなたもまた、できるだけ意味のありそうなことは何もせず、まずは何かが語り始めるのをじっと待つことから始めてみるべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
それは妖精さんの仕業です
今週のやぎ座は、決して解き明かせない謎を、少なくとも一つは確保していこうとするような星回り。
『就中(なかんずく)醜き夏の草はこれ』(高浜虚子)という句のごとし。
たとえば、「神」であれ「無意識」であれ「現存在」であれ「神社」であれ、その中心が語りえず、謎でしかない超越諭的な存在である限りにおいて、すなわち、何らかのかたちで隠蔽されているからこそ、私たちはその周縁に豊かな楽園や幻想の花々を見ることができるのではないでしょうか。
あなたもまた、「そこに何かがある」と思えるような空虚で誘惑的な<謎>を追い求めていくべし。