職人の手さばきが見られる玉露のコース
山本山が発明し、日本に広めた「玉露」をじっくりと味わえるお茶のコース「玉露 しふく」。抽出時の温度別に、香りと味わいが異なる3杯を目の前で淹れていただけます。美味しさはもちろんのこと、ここでしか味わうことができない新鮮な体験とともにお茶を堪能できる、まさに“至福”のひととき。
茶葉を計量する様子など、お茶を淹れるプロセスを全て見せていただけます。
1煎目・すっきりと飲みやすい【甘み】
一煎目の「甘み」は、低温(零度)で抽出された玉露。一晩かけてじっくりと氷から引き出された味わいは、すっきりと、ほんのり甘みを感じます。お茶を嗜む習慣が無い私にとっても飲みやすく、最初の一煎として、とても親しみやすい味わいだなと思いました。
2煎目・口いっぱいに広がる濃厚な味わい【旨み】
二煎目からは目の前で玉露を淹れる様子を見せていただけるので、素敵な所作も楽しみながら過ごすことができます。
二煎目の「旨み」は、中温(40度)で抽出。濃厚で、口に含んだ瞬間に旨味が広がっていき、何層にも重なる味わいを楽しめるような一煎でした。一緒に出していただいたのは、銀座鈴屋の甘納豆。濃厚なお茶とのバランスがちょうどよかったです。
3煎目・心もからだもあたたまる【滋味】
三煎目は、やや熱めの温度(70度)で抽出した「滋味」。奥深いけれど飲みやすく、どこかミネラルを感じるような味わいです。心がほっとする温度で出していただけるのもあってか、美味しさを楽しむだけでなく感情にも響いてくるような一杯でした。合わせていただいた和菓子は、榮太樓總本鋪のきんつば。老舗同士の、間違いない組み合わせです。
4煎目・季節の果実とのタッグを楽しむ【香り】
四煎目、ラストを飾る「香り」は、高温(90度)で抽出し、その後ロックアイスに入れて急冷した玉露です。毎月異なる果実やハーブをブレンドし、その時々の美味しいものと掛け合わせた一杯をいただける特別感が魅力。取材時(7月)は「桃」でした。ほんのりと上品に香りますが、クセがなくすっきりとした味わいです。山本山の海苔が載せられているのも新鮮でした。玉露の旨みに、海苔の香ばしさが重なります。
最後はなんと、使われていたお茶の茶葉をお箸でいただきます。初めての経験なので少し緊張しながら口に運びましたが、ゆっくりと時間をかけて開いた茶葉は、ふかふかで苦みがなく、想像以上の美味しさ。ぽん酢と合わせて、おひたしのようにいただきました。
玉露の魅力に浸れる一時間
「玉露 しふく」のコースでいただいたものを並べてみました。お茶や和菓子、最後の茶葉も含めると、満足度の高いラインナップ。1時間ほどかけてゆっくりといただきました。一煎一煎、丁寧に説明しながら淹れてくださるので、一人で訪れても楽しめそうだなと思います。
玉露 しふく 和菓子付き 3,300円(税込)
茶器の販売もあります
「自宅でもお茶を美味しく楽しみたい」という気持ちが湧いてきたら、物販エリアの茶器コーナーも要チェック。お店でも使われている取手の無い急須「平宝瓶」なども販売されていました。