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[おとなのソロ部]荻窪「荻外荘公園」で歴史建築さんぽ。隈研吾氏設計の展示棟でゆったりカフェ休憩も

▪︎広縁

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近衞文麿はこの椅子に座ってくつろいでいた

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「食堂」と「客間」の正面にある「広縁」は、ひし形装飾のレトロなガラス戸が印象的。ここにはVRタブレットが設置されていて、窓の外に向かってかざすと、当時の景観が映し出されます。春には藤の花が咲き誇る藤棚、芝生を利用したゴルフ練習場、スイレンが浮かぶ池の先には、善福寺川と水田。小高い位置にあった東屋からは富士山の眺望が楽しめたという、なんともぜいたくな庭園だったことが分かります。

▪︎書斎

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「広縁」の先にある「書斎」は、もともとは洋室でしたが、近衞文麿の時代に和室に改修されました。落ち着いた和の空間ですが、第二次世界大戦終戦後に戦犯容疑をかけられた近衞が、出頭当日の早朝に自決をしたという重い歴史をもつ場所でもあります。

隈研吾氏設計の新建築「荻外荘展示棟」でカフェ休憩

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「荻外荘展示棟」は「荻外荘公園」の東側に立つ。明治末期に実業家・山田直矢(やまだなおや)が購入した土地を利用/写真提供「荻窪三庭園」

「荻外荘」の見学が終わったら「荻外荘展示棟」へ足を運んでみましょう。かつて「西の鎌倉・東の荻窪」と称された荻窪は、大正から昭和初期にかけて文化人や政治家が多く暮らした街。そんな荻窪の新たな文化交流の拠点として、2025年7月にオープンしました。

設計を担当したのは、建築家・隈研吾氏。大きなケヤキの下に立つ、多角形の屋根が特徴的な建物です。1階には休憩・カフェスペースとショップ、2階には展示室を備えています。

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休憩場とカフェは同じスペース

1階は大きな窓から「荻外荘」や植物の緑を望む、癒やしの空間。外にはベンチもあるので、日向ぼっこしながらひと息つくのも最適です。「荻外荘」オリジナルグッズを販売するショップはおみやげ探しにぴったり。

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スイーツセット「大最中」1000円

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スイーツセット「スノーボール」1000円

カフェメニューは、杉並区内にある和菓子店やロースタリーのスイーツにコーヒー、西荻窪駅近くにあるおにぎり専門店「粒」のおにぎりなど、フードメニューも並びます。シーズナルスイーツとして夏はかき氷も提供しますよ。

スイーツのひとつ、通年提供される「大最中」は、昭和10年(1935)創業の老舗和菓子店「三原堂」の北海道産小豆をたっぷり使ったもなか。また、荻窪にある洋菓子店「プチグレース」のサクサクしっとり食感がクセになるフランス菓子の「スノーボール」もおすすめ。いずれもドリンクとのセットメニューで提供。

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「荻外荘オリジナル手ぬぐい」1200円

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メモ帳「MARUZEN'S 便箋#6000(まるぜんず びんせん)」310円

ショップには、「荻窪会談」が行われた「客間」のテーブルにも置いてあるレトロなメモ帳、壁文様をモチーフにした手ぬぐいから、レジャーシートまでユニークなグッズが多数揃っています。

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常設展は「実業家、政治家、芸術家たちがすごしたまち」

2階の展示室では、常設展・特別展で、「荻外荘」や近衞文麿についての資料、荻窪にゆかりのある文化人についての展示が行われています。木の明るいファサードとは対照的に、屋根裏のような落ち着いた空間で、集中して見て回ることができます。

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