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[フルタイム共働きの「親」ライフ]家事・育児分担の割合は?夫婦のあり方はここ30年でどう変わった?

フルタイム共働きで子育てをするために欠かせないのが、家事・育児の分担。今の男性は、家事・育児に協力的って本当? みんなはどうやって手分けしているの? これから親になる人も、うまく協力しあえずに悩んでいる人も、きっとヒントが見つかるはず。

教えてくれたのは…

共働き夫婦の割合増えてます!

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共働き等世帯数の年次推移
共働き世帯と専業主婦世帯の数が並んだ1992年は、育児休業法が施行された年。2007年に改正男女雇用機会均等法が、2016年に女性活躍推進法が施行されるなど、女性が自由に働くための素地が整っていったことが、共働き世帯の増加の背景に。

共働き世帯数が急増し夫婦のパワーバランスや夫婦像も大きく変化

共働き世帯と専業主婦世帯の推移の最新データでは、共働きが7割で圧倒的マジョリティ。そのうち未成年の子どもをもつ世帯の割合が7割にも及び、共働きで子育てをする夫婦は今後さらに増えると予想されます。

結婚・出産してからも働く女性が増えたことに伴い、大きく変化したのが人々の意識。「家族30年変化」の調査データによると、家庭の総合的な決定権、妻が働きに出ることの決定権、子どもを何人産むかの決定権、子どもの名前の決定権などにおいて、決定権を持つ妻の割合が、30年前と比べて大きく上昇する結果に。

夫婦間のパワーバランスが変わったことで、現代では、それぞれの夫婦像を「友達夫婦」と表現する人が男女ともに最多。ちなみに夫にとっての理想の夫婦像は、1988年は「亭主関白」が最多で50.2%だったのに対して、2018年には「友達夫婦」が64.9%にまで上昇。仕方なく妻に合わせているのではなく、妻に寄り添うことを自ら選択している夫が増えていることがわかります。

家庭の総合的な決定権も平等になってきている

Q 総合的に考えたとき、家庭で最も決定権を持っているのはどっち?

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出典:博報堂生活総合研究所「家族調査」

妻が30代以下の夫婦にしぼったデータでは、2018年度には「主に妻」が36%、「主に夫」が33.3%。妻が夫を上回る結果になった。

夫婦の関係性は「友達夫婦」に!

Q あなたにとって現実の夫婦像は、どのタイプに最も近い?

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出典:博報堂生活総合研究所「家族調査」

変化の大きかった夫の回答を見ると、30年間で「亭主関白」は25.1ポイント減り、「友達夫婦」は18.7ポイントアップ。「カカア天下」の割合も8.4ポイント上昇しており、夫婦間において妻の存在感が高まっていることがよくわかる。

「現代の理想の夫婦像は、平等な関係の“友達夫婦”」

夫が家事・育児に積極的になった理由は大きく3つある!

2000年頃から共働き世帯が急速に増えていったものの、家事・育児に積極的に参加する夫が増えたのは、ごく近年。平成には女性の社会進出が一気に進みましたが、同時に家庭内別居が社会問題化したり、仮面夫婦という言葉がうまれたり、妻が権力を持つことで夫婦仲が悪くなるというイメージも広まりました。

近年、夫の家事・育児参加に対する意識が変化した大きなキッカケは、3つあると思います。1つは、コロナ禍のステイホーム期間。自宅で過ごす時間が増えて家庭内での仕事量が可視化されたことは、夫の意識や行動に少なからず影響を与えたはず。

2つ目は、人生における仕事のプライオリティの低下。内閣府の「国民生活に関する世論調査」より2001年と2023年のデータを比較すると、働く目的に「お金を得るために働く」を選んだ人は15ポイント上昇。対して「生きがいを見つけるために働く」と回答した人は11.6ポイント減少。家族の時間や趣味などに生きがいを求める人が男女ともに増えています。

そして3つ目は、家族の多様化。昔は家族=ワンユニットという意識がありましたが、現代は離婚に対する抵抗感が激減しており、夫婦別姓や別居婚を受け入れる人は増えている。かといって家族観が冷めているわけではなくて、それぞれの個を尊重しつつ、一緒に家族というプロジェクトを運営していくような感覚にシフトしている印象を受けます。つながりがゆるくなったことで、それを守るための努力が必要になり、お互いに協力し合う「友達夫婦」が増えているのだと感じます。

しかし、今も見えない家事を担ったり、子どものために仕事を休んだりすることにおいては、夫婦間の役割分担に課題が残るケースも見られます。平等の意識が高まったからこそ、そういった不均衡への意識も高まっており、今後の課題になることが想定されます。

「家族というプロジェクトを運営する感覚にシフト」

さらに、博報堂生活総合研究所の「生活定点」調査より気になる最新データをpickup!

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男性よりも女性のほうが約10ポイント高い結果に。年代別に見ると、30代は全体より約4ポイント高い44.8%。ちなみに初回の1998年と比べると、12.9ポイントも上昇。

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「夫婦間での現実の役割分担」という質問に、こう回答した人の割合。男性のほうが約7%高く、家事・子育てに対する夫婦間の意識の差が明らかに。

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家事・育児を軽量化するための方法として、こう回答した人の割合。また、「デジタル機器を育児に活用してもかまわないと思う」と回答した人は40.1%。

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初回の2014年と比較すると、8.3ポイントアップ。市町村や国のベビーシッター補助は年々手厚くなっているものの、抵抗感を抱く人は少なくない模様。

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