今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
穴のなかへ
今週のさそり座は、予期せぬ展開にあえて全力で、ないし適度に飄々と乗っかっていこうとするような星回り。
「運命はみずから切り開くもの」であり、進路の選択などの人生の岐路にある時ほど、自分が「主導権を握り」、「先のことまで見通せている」べきであると、私たち現代人は信じて疑わずにきましたが、そうした信念を打ち崩したのが数年前のコロナ禍でした。
そして今、激動の時代のさ中にあって、改めて思うのは、現代人に必要なのは中途半端な自我の強さなどではなく、徹底的なまでの強い受動性なのではないかということ。
あなたもまた、たとえ不条理だろうと悪夢的であろうと、目の前で何が起こっても全力で受け止めて対応しようとする姿勢を大事にしていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
決断と養生
今週のいて座は、小さくも深い人生の決定の響きを創り出していこうとするような星回り。
『葡萄の種吐き出して事を決しけり』(高浜虚子)という句のごとし。
種を吐き出してしまえば、その仕草はあくまで食卓の光景にも似た平凡さを宿すが、そのなかに人生の深い決断の手触りが響く。作者は「ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である(ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である)」(ルカ福音書)ということを、この短い句の中で証明しているかのようでもあります。
あなたもまた、口中での微細な選別と逡巡の奥行きをよくよく味わっていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
酔わずわめかずただそこにいること
今週のやぎ座は、「無力さ」を誰かとともに担っていける自分であろうとしていくような星回り。
ぜひ治そうという気持ちはかえって視野狭窄を起こす、ということは精神科医やカウンセラーに限らず、かつては結核医にもよくあったそうです。
それは、たいていの場合、相手がすばらしいというか、やりがいのある患者で、時間をかけても惜しくないと思わせる魅力があり、治療する側が「自分が破滅しても患者が救われればいい」という思いに駆られてしまうようなケースに多かったのだとか。
今週のやぎ座も、さめたニュートラルさや距離感を大切にしていくべし。