メンタルや人間関係の悩みは、日々尽きないもの……。今回は、職場の上司や同僚、取引先、知人など「関係を断つわけにはいかないけれど苦手な人」との向き合い方について、ヨガ哲学に詳しい3人の先生からヨガ哲学の視点でアドバイスいただきました。ぜひ、参考にしてみて。
ヨガジャーナル日本版編集部
お悩み「どうしても苦手な人がいます。いろんな事情で関係を絶てなくてツラいです」
向井田みお先生のアドバイス「真逆の態度で嫌悪感を超える」のも手です
ヨガには「真逆の態度で超える」という知恵があります。要は自分の思いと真逆の態度をとり、望ましくない衝動を抑えるということ。苦手な人が、もし好きな人だったらと考えて、相手が喜ぶことをするなど真逆の態度をとってみます。すると、衝動的に湧いてくる嫌悪感を、意外と乗り越えやすくなるものです。
Illustration by Nanayo Suzuki
谷戸康洋先生のアドバイス「大嫌いな人にも幸せになる権利はあるのです。『好きじゃないけどシャンティ』と祈りを捧げましょう」
ヨガのクラスで言う「シャンティ、シャンティ、シャンティ」。3回言うのはまず自分の考え、次に家族や仲間、最後に世界の平和を願っているからで、ヨガの「誰もが幸せになる権利がある」という考えを表しています。嫌いな人だけ除く、というのはおかしいですよね。クラスでシャンティって言ってたじゃん、と(笑)。嫌いな人を好きにならなくていいので、心の中で「シャンティ」と祈りを。不思議と嫌悪感が軽減されて、関係が良くなることも多いですよ。
Illustration by Nanayo Suzuki
乳井真介先生のアドバイス「苦手な人は自分を成長させる神。集中力を高めて向き合おう」
苦手な人は、相手を理解し、波長を合わせるための練習問題。いわば、自分を成長させてくれる神です。その人と関係を絶てないのは、踏みとどまって練習問題に取り組むように、導かれているから。集中力を高めて相手と向き合い、理解を深めていけば、波長の合わせ方がきっとわかってきます。
教えてくれたのは...
向井田みお先生
アンダーザライトヨガスクールでヨガ哲学クラスを担当。1999年、ヨガと出会い、2005年からSwami Dayanandaのもとで、インド哲学古典経典、瞑想、サンスクリット語を学ぶ。
谷戸康洋先生
2006年にwhite birch yoga group、'12年にスタジオ「fika」を設立。ヨガとキネシオロジーの融合など、ユニークなクラスが人気。本誌連載「漫画で読むヨガ哲学」を監修。
乳井真介先生
リラヨガ・インスティテュート主宰。インド政府公認ヨガインストラクター。ヨガ哲学に関する著書に『ヨーガの魔法』(バードリンク)。本誌連載「漫画で読むヨガ哲学」も監修。