アウトドア好きな人なら、毎年何気なく食べているバーベキュー。でも、炭選びに失敗するとお肉がクサくなったり、火が全然つかないなんて悲劇にあうことも…。そこで今回は、すぐ着火して長く燃え続ける最強の炭を探すべく、通販で買える6製品を選抜して徹底検証。なんと“わずか18秒”で着火する炭を見つけたんです。炭選びの基礎知識もまとめたので、アウトドア初心者の方も必見です!
加藤 真也/Test by MONOQLO編集部
“BBQは炭火焼き”が美味い理由は遠赤外線と近赤外線にありました
バーベキュー炭ランキングや炭選びの基礎知識をご紹介する前に、改めて炭火焼きで食べる肉はなぜ美味いのかと真剣に向き合ってみました。すると、そこには科学的な理由があったんです。
炭は燃える際に、遠赤外線と近赤外線という電磁波を同時発生させます。
遠赤外線は食材に当たることで、肉の表面を香ばしく焼き上げ、近赤外線は電子レンジのように、肉を中から熱して旨みを引き出してくれるのです。
しかも、炭火焼きには、ガスで焼く時のような水蒸気が発生しません。なので、食材の表面は湿らず、カリッと焼き上がります。
遠赤外線で外側「カリッ!」、近赤外線で内側「ジュワッ!」
これが、炭火焼きで食べるバーベキューが美味い理由だったんです。
炭といっても多種多様BBQへの向き不向きがある!
食材の旨みを引き出す立役者である“炭”は、炎が昇る薪に比べて、火力が安定し食材を焦がす失敗も少ないといえます。
しかし、ひと口に炭といっても、その種類によって特徴もさまざま。
値段が高いか安いか、火つきが良いか悪いか。食材を上手く焼けるかなど、しっかりと特徴を踏まえた上で選ぶようにしましょう。
以下は、代表的な5つの炭の特徴をまとめたものです。これらをしっかりと把握しておけば、「テキトーに買ったけど、全然使えない…」なんて悲劇に見舞われずに済みます。
[代表的な炭①:着火加工成型炭]着火剤付きで“点火がラク”な初心者向け
初心者に最もオススメの炭といっても過言ではない着火加工成型炭。オガクズやコーヒーガラ、ヤシガラなどを固めて炭化させた炭です。着火剤を染み込ませた製品もあり、短時間で火をつけることができます。
しかも、木炭のように爆ぜないので安全性も万全。
ただし、見方によってデメリットも存在します。注目すべき炭なので、もう少し掘り下げていきましょう。
[着火加工成型炭のデメリット①]
湿気ると性能がガクンと落ちる…
着火加工成型炭は、湿気ると着火剤成分だけが燃えて、炭に火がつかないこともあるので、保管には十分注意が必要。
他の炭と比べて高価なものではありますが、商品1パックは使い切りだと考えるのが得策です。
[着火加工成型炭のデメリット②]
着火直後に焼くと肉にニオイがつく…
着火加工成型炭は、着火直後に炎が上がります。これは着火剤が燃えているだけなので、炎が収まるまで食材は乗せないようにしましょう。
この状態で乗せてしまうと、着火剤のニオイが食材に移り、臭くなってしまいます。
これらのデメリットを踏まえた上で使うのであれば、初心者にもっともオススメな炭だといえます。
[代表的な炭②:豆炭]食材が臭くなるのでダッチオーブン向き
豆炭とは、無煙炭などの石炭を主成分としたものを指します。食材に臭いが移るので、バーベキューよりもダッチオーブン料理向き。
ただし、豆炭型でも木炭粉を主な素材としている炭は直火利用できます。事前確認し、購入しましょう。
[代表的な炭③:黒炭]炭といえばコレ“汎用性は最強”です
ナラやクヌギなどの広葉樹を窯に詰めて点火し、密封して消火した炭。「炭といえばコレ!」な定番です。煙や刺激臭が出ないので、家の中でも使用可能です。
火つきが良く、火力調整がしやすいというメリットはありますが、燃焼時間が短いので、複数のグリルを使ったり、大人数のバーベキューの場合は、余裕を持った量を準備する必要があります。
[代表的な炭④:備長炭]ビキナーには難しい日本料理の匠の炭
主にウバメガシ材を窯で焼き、灰をまぶして消火した「白炭」。火力と火持ちは優秀ですが、高価で着火が非常に難しいという特徴があります。
これからバーベキュー本格デビューしたいという初心者にはオススメできない炭です。
[代表的な炭⑤:マングローブ炭]柔らかく火つきも良いがニオイに注意
熱帯の樹木・マングローブ製の炭。価格も安めで火つきも良いですが、多少のニオイや炎が立ち上がることがあります。完全に火が落ち着いてからバーベキューをはじめましょう。
以上、これからのバーベキューシーズンに向け、覚えておくべき5つの炭の特徴をご紹介しました。
続いては、バーベキューに用意すべき炭の量についてご説明します。