夏野菜の代表であるピーマン。最近は、いろいろな色や大きさのものを見かけますが、どのような違いがあるのでしょうか?今回は、ピーマンに含まれる嬉しい栄養成分やおいしく食べる方法、おすすめのレシピなど、ピーマンの魅力をたっぷりご紹介します!
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ピーマンってどんな野菜?
ピーマンは、中南米原産のナス科の辛味のないトウガラシの一種です。
明治時代の初めに、現在食べられているような甘トウガラシのピーマンが、アメリカから伝わりました。
昔のピーマンは、今より大きく肉厚で、独特の香りが強く、少し食べづらいものでしたが、品種改良により、最近では、中型の薄肉で香りが少ない品種が主流になりました。
ほかにも、赤や黄色、オレンジや白、紫や黒などさまざまな色があり、大型で甘みのあるパプリカや、赤色に熟したピーマンなどもあります。
今では、栽培方法が工夫され、1年中見かけるようになりましたが、本来は6~9月頃、夏に旬を迎える野菜です。(※1)
ピーマンに含まれる代表的な栄養成分とその働き
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンを作る際に必要な栄養素です。
そのほかにも、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあるほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
さらには、動脈硬化のリスクを高めたり、老化や免疫機能の低下などを引き起こす活性酸素の働きを抑える抗酸化作用も持っています。
ビタミンCは体内で合成されず、余分に多く摂っても必要な分以外はすぐに体外に排出されてしまうので、毎日こまめに摂取する必要のある栄養素です。(※2)
β-カロテン
β-カロテンは、野菜の色素成分のひとつです。人の体内で必要に応じてビタミンAに変わるので、プロビタミンAと呼ばれています。
体内での活性酸素の発生やその働きを抑制したり、活性酸素そのものを取り除く抗酸化作用を持っており、ビタミンCと同様に、アンチエイジング効果などが期待されています。(※3)
食物繊維
食物繊維は、便通を整えて便秘を防ぐうえで欠かせない成分であるほか、ビフィズス菌などの善玉菌の餌になることで、善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きを持っています。
また、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して身体の外に排出する働きがあるため、これらを摂り過ぎることによって引き起こされる肥満や脂質異常症・糖尿病・高血圧など生活習慣病の予防に貢献してくれることが明らかになっています。
食物繊維は、現在ほとんどの日本人が不足気味なので、積極的に摂りたい栄養成分のひとつです。(※4)
種やわたの栄養について
ピーマンを食べる際に、種やわたの部分を捨ててしまっているという方も多いのでは?
でも、実は種やわたにも栄養があるんです。
ピーマンの種には、人体に欠かせないミネラルのひとつ、カリウムが豊富に含まれています。
カリウムは神経や筋肉を正常に保ち、体内の余分な塩分を排出する働きがあるため、高血圧の予防に役立ちます。
一方のわたに含まれるピラジンという成分には、血液の流れを良くする働きがあるといわれています。
そのほかに、唐辛子の成分として有名なカプサイシンも含まれているので、冷え性対策やダイエットにも嬉しい機能が期待ができそうです。(※5)
ピーマンの切り方による違いは?
ピーマンは切り方によって、摂れる栄養や食感が変わります。
ピーマンの繊維は縦に並んでいるので、栄養を効率的に摂るには縦切りがおすすめ。繊維に添って切ることで栄養が流出しにくく、加熱調理に向きます。(※6)