脚が開かない、前屈できない、そんな苦手の大きな原因は、「お尻の硬さ」にありました。そこで、硬いお尻を効果的にゆるめて柔らかくする方法を、ヨガインストラクターのヤスシ先生が伝授。ポイントは、お尻を効果的にほぐすこと!
ヨガジャーナル日本版編集部
硬いお尻が柔らかくなると全身の運動能力がUP!
「ヨガにおける柔軟なお尻とは、股関節がスムーズに動いて『左右に開く』『前に倒れる』『外に回る』ことができるお尻。こういうお尻になると、ヨガのポーズの充実度が高まります」とヤスシ先生。
お尻が柔らかいと、ポーズで骨盤を正しい位置にセットでき、腹筋と背筋をバランスよく使えるようになります。上半身と下半身の連動もスムーズになるため、全身の運動能力が高まり、開脚・前屈といった苦手ポーズを克服できるのです。
「柔軟なお尻をつくるには、前述の3つの動きを担う筋肉を『鍛える』のではなく、それらの動きを妨げる筋肉を『ゆるめる』のが効率的。つまり、左右に開きやすくするには、反対の内側に閉じる筋肉の硬さをゆるめていきます」
お尻まわりの筋膜をゆるめてウォーミングアップ
お尻とお尻につながる筋膜をゆるめながら、筋肉を温めるウォーミングアップからスタート。筋膜とは、全身の骨や筋肉を包む膜。そこにアプローチしてこわばりをゆるめると、その下にある骨や筋肉を動かしやすくなり、次ページ以降のワークがより効果的に。
前後の筋膜をゆるめる:体を上に伸ばす
上に伸びて、体の前側と、お尻を通る後ろ側の筋膜をゆるめます。
HOW TO
膝立ちになり、足先を立てる。腕を上げ、手のひらを上に向けて頭上で両手を組む。肋骨を引き入れ、体の前後を伸ばして30秒キープ。
photos by Kenji Yamada
斜めの筋膜をゆるめる:左右にねじる
左右にねじって、片尻~逆側の肩まで斜めに走る筋膜を伸ばします。
HOW TO
左脚を前に踏み出し、膝の下にかかとをセット。左手を腰、右手を左膝にのせ、重心は右膝に。背骨を伸ばし、骨盤を正面に向けたまま上体を左へねじる。右側のお尻から左肩へ、背面の斜めのラインを伸ばして30秒キープ。反対側も。
photos by Kenji Yamada
首だけねじるのはNG
首だけをねじっても筋膜にアプローチできない。後ろの足先を立て、腰からしっかりねじって。
photos by Kenji Yamada
左右の筋膜をゆるめる:膝立ちで側屈
体を伸ばしてから側屈し、お尻~体側の筋膜に働きかけます。
HOW TO
膝立ちになり、足先を立てる。肘を伸ばして腕を上げ、手のひらを上に向けて、頭上で両手を組む。骨盤から上に伸びてから、お尻が左に突き出ないように上体を右へ傾ける。左膝に重心をのせ、左側の横尻~体側を伸ばして30秒キープ。反対側も。
photos by Kenji Yamada
お尻が横に突き出るとNG
お尻が横に突き出て、体が弓なりになると体側を十分に伸ばせない。
photos by Kenji Yamada
股関節まわりの筋膜:マラーサナ
HOW TO
脚を腰幅に開いて立ち、胸の前で合掌。足先を少し外側に向けてしゃがみ、肘を膝の内側にあてて押し合う。お尻を後ろに引き、胸の中心を引き上げ、鼠蹊部を伸ばして30秒キープ。