痩せると話題の糖質制限ダイエットを一度は試したことがある人も多いのでは?実際に、糖質を制限すると痩せるのでしょうか?リバウンドはしないのでしょうか?糖質制限ダイエットにまつわる気になるポイントを管理栄養士が解説します!
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糖質制限ダイエットって本当にやせられるの?
ここ数年メディアで話題の糖質制限ダイエット。巷では、ほかに「ロカボ」「ローカーボ」「低糖質」などとも呼ばれています。
これらは名前の通り、食事の糖質量を制限するダイエット法ですが、そもそも糖質とは何かご存知ですか?糖質は、炭水化物から食物繊維を抜いたものを指し、ご飯や麺類、パン、果物、お菓子、ジュース類などに豊富に含まれています。
現時点では糖質のみを減らせばやせられると言い切れない
糖質を制限することによる減量効果の有無については、さまざまな報告がありますが、糖質を減らした際に一日トータルでの摂取エネルギー量が保たれているかや、食事の内容について触れている研究は少なく、単に糖質のみを減らせば痩せるということは、現時点では言い切れません。
ただ、痩せる可能性のある要因を挙げるとするならば、日本人は一日のエネルギーの約6割を糖質を含む炭水化物から摂っており、糖質を制限することで、一日の摂取エネルギー量が減りやすくなるため、結果として痩せやすいということが考えられます。(※1,3)
糖質制限ダイエットのデメリットは?
栄養バランスが崩れやすい
糖質を制限する際に、主食になるご飯やパン、麺類や糖質の多い野菜を控えると、同時にその食品に含まれるほかの栄養素も摂取できなくなります。
食品はひとつの栄養素だけでなく、さまざまな栄養素から成っており、糖質を制限したつもりが、ほかの栄養素が不足してしまうことも。
また、糖質を制限した分のエネルギーを、たんぱく質や脂質から多くとりやすくなります。脂質が多くカロリーが高い揚げ物や脂身の多いお肉などを多く食べると、カロリーオーバーにつながり、逆に太ってしまう可能性もあります。(※2,3)
リバウンドする可能性がある
糖質制限というと、糖質をとってはいけない、太るから糖質をほぼ摂らない食事をしている方もいるかもしれません。
しかしながら、極端に食べる量を制限する偏ったダイエットは、一時的には減量効果が期待できても、必要な栄養が不足したり、ストレスが溜まってしまい、逆にリバウンドしてしまうおそれがあります。(※4)
糖質制限ダイエットのメリットは?
糖質の摂りすぎを調整できる
普段、何気なく食べたり飲んだりしているものの中にも、糖質を多く含むものがあります。ご飯や麺を大盛りで食べる、麺類にご飯物を付けたり、カレーや丼物、ジュースやお菓子をよく食べる人などは、知らず知らずのうちに糖質を摂りすぎている可能性が。
特に、お菓子やジュースには糖質が多い一方で、ミネラルやビタミンなどの栄養素は、ほとんど含まれていないことが多いので注意が必要です。
摂取した後に、エネルギーとして消費されなかった糖質は、中性脂肪として蓄積され、肥満の原因にも。摂取しているものの糖質量を把握し、食事全体のバランスを考えながら摂ることで、摂りすぎを調整することができます。(※5,6)
空腹感を感じにくく、ストレスが少ない
糖質制限では、肉や魚や野菜など、糖質の低い食品には制限がないため、おかずを減らす必要がありません。そのため、糖質以外のたんぱく質や脂質の摂取量が増加しやすい傾向に。
たんぱく質が多い食事は満腹感を感じやすく、その満腹感が持続しやすいことが明らかになっています。また、脂質についても、胃での滞留時間が長く、長時間空腹を感じにくいため、空腹のストレスが少なくなる傾向にあると言われています。(※7,8)
糖質は1日にどのくらいとるのが良い?
1日あたり250g~325gを目安に
糖質を含む炭水化物の摂取量は、一日の摂取エネルギーの50~65%が好ましいと定められています。健康な成人女性が一日に必要とするエネルギー量は約2,000kcal程度で、その約6割とすると約1,200kalを炭水化物から摂取することに。
炭水化物1gのエネルギー量は4kcalなので、それをまるごと糖質量に当てはめるとすると、一日に300gの糖質を摂取する必要があります。茶碗1杯(140g)の白飯の糖質量は50g程度ですので、単純に計算すると、一日で茶碗6杯分の白飯を食べることになります。
しかしながら、実際の食事では、白飯以外のさまざまな食品から糖質を摂っていたり、炭水化物の一部である食物繊維にもわずかながらエネルギーが含まれているため、白飯から摂取する糖質量は、1回の食事で茶碗1杯程度を目安にするとよいでしょう。(※3,9)