こんにちは、ヨムーノ編集部です。
階段の上り下りで足やヒザが痛い。巻爪やタコが痛む。冷え、むくみに悩んでいる……。その症状、歳のせいだからと、あきらめていませんか?足は「若返らせる」ことができます。
ここでは、足の専門医・菊池 守さん著書『足の専門医が教える100歳までスタスタ歩ける足のつくり方』(出版社:アスコム)の中から一部を抜粋・編集してご紹介します。
軽やかな足の運びをサポートする「正しい靴」の選び方
足は毎日欠かさず使うものですから、日常生活のなかでも配慮すべき点がいくつかあります。たとえば、みなさんは新しい靴を買うとき、どのようなポイントを基準に選んでいるでしょうか?
身に着けるアイテムなので、もちろんデザインは大切です。
しかし、ファッション性を重視するあまり、足に余計な負荷を強いているようでは、足寿命を維持することはできません。
そこで、足を健康な状態に保つために、靴を選ぶときには次のポイントを意識するようにしてください。
サイズ
つま先の遊びは1〜1.5センチ程度を目安に
自分の足に正しくフィットするサイズを選ぶことは、靴選びにおいて何より大切なポイントです。
ところが、大人になってから足のサイズを測定したことがある人は、ほとんどいないのではないでしょうか。多くの人は「いつも24センチの靴を買っているから……」というように、足のサイズを決めつけているのではないでしょうか。
ぜひ一度、あらためて現在の足の正確なサイズを測ってみてください。
その上で、実際に靴を試し履きしたときに、重要となるポイントがあります。
まずは、しっかりとホールドされて、靴のなかで足がズレないこと。つま先部分の遊び(余裕)は1〜1.5センチ程度。親指を軽く曲げられるサイズが理想でしょう。
ただし、メーカーやデザイン、素材によっても締めつけ感は変わるので、その前後も含めた複数のサイズを試してみることをおすすめします。
靴を試着して店内を歩いてみたとき、甲の部分とかかとの部分がしっかりホールドされている感覚が得られるのが適正サイズです。
靴を窮屈に感じたり、歩くたびに、かかとがぶかぶかするようなら、サイズを選び直すようにしてください。
靴底
硬すぎず、やわらかすぎないのが第一条件
靴底の仕様も重要です。
底が硬すぎるものを選ぶと、足が地面に着地する際、その衝撃を十分に吸収することができず、結果的にヒザや足首に余計な負荷がかかることになります。
足の健康を優先するなら、ゴム底のスニーカーがベストですが、フォーマルな席ではそうもいきません。
革靴を選ぶときは、靴底が硬すぎずやわらかすぎず、足の動きに合わせて柔軟に曲がってくれるものを選びましょう。
また、靴の中のインソールは、前足部にクッション性があり、足のかたちに合わせているものがベストです。
デザイン
靴紐でしっかり固定できるものがベスト
デザインについては人それぞれ好みがあると思いますが、専門医の視点からすれば、少しファッション面を妥協してでも、紐やマジックテープなどでしっかり固定できるものをおすすめしたいところです。
歩行の際に体重を十分に支え、適切な体重移動を行うためには、靴と足が自然に固定されている必要があります。
その意味で、女性の場合はハイヒールよりもブーツのほうが望ましいと言えるしれません。どうしてもハイヒールを履く必要がある場合は、足首を固定できるアンクルバンド付きのものであれば、足への負荷を軽減できるでしょう。
つま先
あなたのつま先はどのタイプ?
つま先部分の形状についても、単にデザイン重視で選ぶのではなく、自分のつま先のシルエットに合った靴を選ぶことが大切です。
理想はトウボックス(靴のつま先)の部分が広く、中で足の指があたらないものといえるでしょう。
なお、人のつま先の形は、大きく「エジプト型」「ギリシャ型」「スクエア型」の3タイプに分類されます。
日本人にもっとも多いのが、親指が一番長いエジプト型。
この場合は親指部分から小指にかけて斜めに、すっきりと短くなるオブリーク型の靴を。
2番目の指がもっとも長いギリシャ型の人は、つま先の中央部分を頂点に、左右対称にカーブを描くラウンド型を。
そして、親指と2番目の指の長さがほとんど同じに見えるスクエア型の人は、つま先が四角いスクエア型の靴を選べば、より自然にフィットするでしょう。
靴を買う前に、まずは自分のつま先がどの型に当てはまるかを観察しておくことが、足の健康を守る秘訣なのです。