感受性が強い人の特徴とは? 心理カウンセラーの笹氣健治さんがその正体や、感受性が強い人に向いている仕事などを解説。強い感受性との向き合い方について説明します。
感受性が強い人は、敏感で繊細であるという良さがある半面、人よりも多感にいろいろなことへ気づいてしまうため、ストレスも抱えてしまいがち。
感受性の正体はなんなのか、またそれを活かす方法とは? 今回は感受性の強い人の特徴や、向いている仕事など、楽に生きていけるようになるためのヒントをお伝えします。
感受性とは「刺激を受け取る感度」
感受性とは、外界からの刺激を受け取る感度のことをいいます。
たとえば、カフェでくつろいでいるとき、隣のテーブルの話し声が気になる人もいれば、まったく気にならない人もいますが、気になる人は気にならない人よりも話し声に対する感受性が強いということになります。
外界からの刺激は、音以外にも、気温の変化、香水の匂い、タバコの煙、料理の味などさ まざまあり、いずれも五感で受け取る刺激です。そういった刺激に敏感なことを感受性が強いと表現します。
「心理的な刺激に敏感な人」も感受性が強い
一方、刺激には心理的に受け取るものもあります。
たとえば、悲しい映画を観て号泣する人は、泣かない人よりも感受性が強い人だといわれます。対人関係において、他人の気持ちを敏感に受け取ることができるというのも感受性が強い人の特徴のひとつです。
ところで、感受性と似た言葉に感性というものがあります。
どちらも同じような意味の単語なのですが、一般に感性は、ファッション、音楽、映像などの芸術的センスについて用いられるケースが多く、このコラムでは、そういったセンスを意味する感性ではなく、周囲からの刺激に対する反応を表す意味での感受性、特に心理的に受け取る刺激に対する感受性が強い人について考えていきます。
感受性が強い人に共通する5つの特徴
感受性が強い人は、一般の人よりも多くの刺激を周囲から受け取ってしまうことで、その性格や考え方に少なからず影響が生じています。
感受性が強い人によく見られる特徴の主なものを挙げると次のようになります。
(1)世話好きで親切
感受性が強いゆえ、困っている人の気持ちがよくわかるために放っておくことができず、なんとか助けてあげようとします。
世話好きで親切だといえるのですが、「自分がなんとかしてあげなくてはならない」という意識を強く持つあまり、背負い込みすぎて苦しくなったり、相手にとって重荷になったりすることもあります。
(2)他人の反応が気になる
他人の気持ちを敏感に察してしまうので、どうしても相手のことに意識が向いてしまいがち。
相手の言葉や表情、態度がつい気になってしまうため、自分がどう思われるか心配し、必要以上に空気を読んだ行動をすることが多くなります。人前で緊張しがちなのも他人の目が気になるからです。
(3)謙虚で心配性
自分の評価が気になる傾向が強く、悪く思われないように目立たず謙虚な態度を取りがちです。
失敗することに臆病で、物事を慎重に進めようとする心配性なところも。自分はうまくできると考えるより、うまくできなかったらどうしようと考えてしまいがちなのは、自分に自信が持てないからです。
(4)決められたことをしっかりやる
周囲の刺激が何かと気になることで注意力が散漫になってしまい、ケアレスミスを起こすときがよくあります。
特に、同時に複数の作業を並行して行ったり、突然の予定変更や急な依頼などの想定外に対して臨機応変に対応したりする状況が苦手です。
逆に、あらかじめ決められたことをひとつずつ確実に処理するのは得意。もともとしっかりやりたいという意識が強いので、自分でダンドリを考えて、その通りに丁寧にこなそうとします。