酒粕は「体によい」というイメージがありますが、具体的にはどのような効能があるのでしょうか。酒粕に豊富に含まれている栄養成分やそのはたらきを詳しく見ていきましょう。また、酒粕をおいしく食べられるレシピもご紹介していきます♪
酒粕に期待できる栄養や効能4つ!
酒粕のペプチドは血圧の上昇をおさえる
酒粕には血圧の上昇をおさえるはたらきが期待されていて、血圧調整に関わるアンジオテンシン変換酵素のはたらきを阻害するペプチドが含まれているからです。(※1)
ペプチドは酒粕の製造工程のなかで、酵母や米のたんぱく質が分解されてできる成分ですよ。(※1)
便秘の解消に役立つ食物繊維が豊富
酒粕には便秘の解消に役立つ成分が含まれていますよ。その中でも、便の量を増加させたり、腸内の善玉菌の割合を増やしたりする「食物繊維」が酒粕100gあたりに5.2g含まれています。(※2,3)
ほかにも麹菌の発酵により米のデンプンからできる「オリゴ糖」には、腸内細菌を増やす作用や整腸作用がありますよ。(※4)
ビタミンB群が肌のきれいをサポート!
肌の調子が気になるときにも酒粕は役立ちますよ。酒粕には肌のきれいをサポートする「ビタミンB群」が豊富に含まれているからです。
酒粕100gあたりに0.26mg含まれるビタミンB2は皮膚の健康を維持するために働きます。また、酒かす100gあたりに0.94mg含まれる「ビタミンB6」は皮膚を作るもととなる「たんぱく質」の代謝を助けてくれますよ。(※3,5,6)
冷えの症状を緩和して体が温まる♪
酒粕の入った甘酒には「体が温まる」という印象がありますよね。酒粕には、血管を拡張させる一酸化窒素を生じさせるはたらきがあるといわれています。血管が拡張すると血行が改善するため、体がぽかぽかと温まるというわけです。(※7)
手足が冷えやすい方は酒粕の力を借りてみましょう。
酒粕の効能は加熱すると失われるの?
酒粕のアルコールを飛ばしたり粕汁を作るなど、酒粕を加熱すると酵母菌やビタミンB群の一部が失われるおそれがあります。
たとえば肌のきれいをサポートするはたらきが期待できるビタミンB6は、加熱調理によって約13パーセント減ってしまいます。ただし、煮汁と一緒に食べることで無駄なくビタミンをとりいれることが可能になりますよ。(※8)
酒粕の栄養をすべてとりたい場合は、加熱せずに食べましょう。
酒粕を食べるときにはアルコールに気をつけよう
身体によい効能がたくさんある酒粕ですが、アルコール分には注意が必要です。酒粕には含まれているアルコール分は約8パーセント。ノンアルコールの米麴甘酒とはちがい、酒粕から作られた甘酒にもアルコールが含まれていますよ。(※9)
妊娠中の方や子どもはもちろん、運転する予定のある方は控えるようにしましょう。
上手に摂取♪ 酒粕を使ったおすすめレシピ7選
1. トースターで簡単。たらの粕漬け焼き
酒粕をそのまま食べるのに抵抗がある方は、調味料として料理に取り入れるのがおすすめです。
酒粕の入った調味液にたらを半日漬けこんでおけば、あとはトースターで焼くだけでできあがり。手間がかからないので、忙しい日の夕食にぴったりです。
2. 体がぽかぽか温まる!鮭の粕汁
酒粕を使った定番料理といえば、粕汁ですよね。さまざまな野菜と鮭を具材にすれば、彩りのよい汁物になりますよ。
酒粕に含まれるビタミンB群が煮汁に溶けだすため、汁も残さず食べましょう。