「リーダーシップを発揮した経験は?」こんな言葉を面接で投げかけられたことはないでしょうか? リーダーシップとは何なのでしょう。意味や定義から具体的な身に付け方まで、就活アドバイスを行っているコラムニスト・トイアンナさんに教えてもらいました。
「リーダーシップ」という単語を、私ほど聞いた人間もそういないと思います。
というのも、私は就活のアドバイスをするのがお仕事でして、就活生の履歴書へ耳にタコができるほど「リーダーシップ経験を書いて」と伝えてきたからです。
ですが、リーダーシップ経験ほど就活生、そして社会人にすら誤解されている言葉も無いと思います。
というのも、リーダーシップとは決して「他人をグイグイ引っ張る力」ではないからです。
リーダーシップとは? 定義とマネジメントとの違い
まずは、リーダーシップとは何かについて迫りたいと思います。
ドラッカーの定義
「リーダーシップ」のようなビッグ・ワードは、ドラッカーという偉い人が論文で大体定義してくれています。まずはドラッカーの定義を見てみましょう。
著作『プロフェッショナルの条件』において、リーダーシップはこう定義されます。
リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者
なお、ドラッカーの素晴らしいところは、ふんわりした言葉を定義してくれるところ。悪いところは、定義もホイップクリームのようにふんわりしているところです。
P&Gによる定義
私が勤めていたP &Gでは、リーダーシップをさらにこう定義しました。
リーダーシップとは、
(1) 未来を描く - 「もっと素晴らしい未来はこうだ!」と人に見せる力
(2) 協力する - 部署や会社を超えて協力して成し遂げる力
(3) やる気を促す - みんなに「やったるか!」と思わせる力
(4) 効率化 - 人の強みを生かす力
(5) 実行力 - 言ったことをやり遂げる仕組みを作る力
であると。
こうして並べると「まあ、確かにここまでできればリーダーシップがあるといえるよなあ……」という要素は見えてきたかと思います。具体例を挙げると「ONE PIECEのルフィ」でしょうか。
リーダーシップとマネジメントの違い
で、ここで疑問になるのが「あれ、リーダーシップとマネジメント、被ってない?」問題です。
ドラッカーの定義した言葉に、「マネジメント」という似た言葉があります。ドラッカーによるマネジメントの定義は「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」です。
つまり、組織が成果を上げるための道具(マネジメント)の一つに、リーダーシップが含まれているわけです。
リーダーシップだけがマネジメントの道具ではありませんが、重要な一要素とはいえそうですね。
身に付ける意味とは? リーダーシップの必要性
我々は誰もが『ONE PIECE』のルフィのように生まれていません……し、ちょっとなるのもしんどそうです。ですが、リーダーシップは後天的に訓練することで、ある程度鍛えることができます。
リーダーシップを身に付けるメリットは、以下の通り。