ストレスを溜めずに発散するのにポイントになる【ストレスコーピング】を見つける方法について、臨床心理士が解説します。
ストレスコーピングについておさらいしよう!
ストレスコーピングとは、『ストレスにうまく対処すること』です。前回の記事で、ストレスコーピングには【問題焦点型】と【情動焦点型】の2種類があり、その中でも情動焦点型コーピングによって、『自分の考え方や認知の発想転換をする』ことがストレスを早期解決してくれるとお話ししました。では、実際にストレスコーピングを身につけるにはどうしたら良いのでしょうか?今回は今日からすぐに実践できる方法をお伝えします。
ストレスへの対策を見つける、【コーピングリスト】とは?
ストレスコーピングを見つける方法として効果的なのが【コーピングリスト】を作ること。ストレスへの対処法を目に見える形にすることで、いつでも見返すことができますし、持ち歩いておけば、ストレス場面に出会った時にリストを見て対処することもできますね。紙とペンを用意し、さっそくやってみましょう!
【コーピングリストの作り方】
(1) まずは自分が抱えているストレスを思い浮かべましょう。
(2) 自分の中でストレスになっていることが思いついたら、そのストレスへの対策や気晴らし方法を思いつくままに書き出してみましょう。目標は100個(多ければ多いほどストレス対策への効果が高まります)。
コーピングリストを作るのに気をつけることは?
リストにする内容としては、自分の中で解決できること、周囲にアプローチしていくことなどなんでも良いです。ただし、以下の7つに注意しましょう。
① お金がかからない
② 時間がかからない
③ 無理なく実行できる
④ 人間関係に影響しない
⑤ 健康に悪影響を及ぼさない
⑥ 自分が後悔をしない
⑦ 人に迷惑をかけない
これらを満たしていないコーピングは、継続できる可能性が低くなってしまうのです。なるべく継続・持続が可能なものを選ぶようにしましょうね。
コーピングリストのさらに効果的な使い方とは?
せっかく作ったコーピングリスト、さらに効果を高められたら良いと思いませんか?リストの効果的な使い方も覚えて、さらにストレス対処に役立てましょう!
【コーピングリストの効果的な使い方】
① コーピングリストが完成したら、実際ストレスが起きた時に、リストの中に書いた対処法をやってみましょう。
② 選んだ対処法の効果を『100点中◯点だったか』記します。
③ 得点が高かったものほど自分に合うストレスコーピングになります。
リストの内容を実践するのが難しい時は、『想像する』『思い出す』だけでも大丈夫。やれるところからやってみましょう。また、「これは得点が低かった」というものでも、ストレスの場面や内容が変われば高得点になる場合もあるので、再度試してみるのもアリです。自分に合うストレスケアを探すには、もしかしたら時間がかかるかもしれません。しかし、自分に合う方法を身につけておくことは、仕事やプライベートなど、人生の中のあらゆる場面で役立つことでしょう。あなたに合ったストレスコーピングが見つかることを願っています。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram: @maiminami831