今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
透明な獣
今週のさそり座は、悟ってないようなことを言うほどに心が澄んでいくような星回り。
人生を「制御する」という行為は、それがどんなに建設的なものであれ、現実の一本一本の線が未来に向かって徐々に像を結んで確立していくプロセスに他なりません。
どんなにデタラメに描いたつもりでも、そこには完成図への意図が働いてしまう。ありがちなエンディングへの着地が見えてしまった瞬間に、見ていた映画に白けてしまうように、どこかで見たことのある型にはまった月並みさが自分の人生にもついて回ってきます。
だから人は、時々「悟ってないようなことを言ってしまう」のかも。すなわち、すでに確立された自己像の輪郭を攪乱して、今ここにいる自分の外に出て行くこと。鳥や動物、死者になりきってみて、見えてくる光景が多少なりとも現実や日常において反映されるようになってきたとき、あなたはまた一段と美しい生きものになってゆけるでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
世界の歩き方とその変調
今週のいて座は、これまでとは別の世界戦へと乗り換えていくような星回り。
ユダヤの詩人は旧約聖書の『伝道の書』において、「天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある。」(3章-1)と語っています。これは現代日本の時の感覚とはかなり異なりますが、それは「わざ」のうちに「時」があるという感覚なのではないでしょうか。
時がものを運ぶのでもなければ、時が人間を動かすのでもない。時は一定の物差しでも、外からすべての存在をくくるものでもなく、むしろそれぞれの物事や人間の内側にある。これが彼らの感覚なのです。
今週のあなたもまた、これまで当たり前だと思っていたやり方や過ごし方をいったん白紙に戻していくくらいのつもりでちょうどいいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
秋の寝覚めとブレイクスルー
今週のやぎ座は、これまで見えていなかった現実が一気に眼前に広がっていくような星回り。
「はるかなるもろこしまでも行くものは秋の寝覚めの心なりけり」(大弐三位)という歌で詠まれている「もろこし」とは「唐土」、中国の大地のことですが、当時の感覚からすれば、はるかこの世の果てを指していました。
「寝覚め」とは、眠りの途中での覚醒。つまり、悶々とする物思いで寝ては覚めを繰り返し、子供や思い人のことをどこまでも求めていくような秋の夜長のしみじみとした思いのことを詠っているのです。しかしそれも、精神世界の拡大する秋だからこそ可能となった感慨であり、孤独さを存分に深めていける季節がやっときたのだということでもあります。
今週のあなたもまた、不意にここしばらく感じたことのなかった感情の深まりや精神活動の活発化と直面していくことになるかもしれません。