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「メッセージカード」のように
次にご協力いただいたのは、身近な野鳥や植物などをモチーフにしたデザインで作品を手がけられている、デザイナーのitsukonakaさんです。
まず取り掛かられたのは、「筆之助」の描き心地やカラーのバリエーションを試すところから。
全10色で描かれたとは思えないほどにカラフルなイラストの中から、今回の年賀状のイメージに合った色の組み合わせを選んでいきます。
わたし自身が大好きな鳥をさまざまな色で描いてみました。「筆之助」は異なる色を重ねても滲むことなく、くっきりとした発色なので、それぞれの色をたっぷりたのしむことができますね。
itsukonakaさんが選ばれたのは、パキッとしたコントラストが美しいブルーとオレンジの2色です。
全体的に明るい雰囲気はありつつも、落ち着いた印象に仕上げるために、「筆之助」のカラーバリエーションの中から、あえて使う色を2色に制限しました。そうすることで、どれだけたくさん描いても、統一感を出すことができます。
咲き誇るお花の上を、鳥さんが追いかけっこをしているような、たのしいイラストに。色味が統一されているので、華やかながらもすっきりとした印象です。
真ん中には新年に向けたメッセージもプラス。
「筆之助」は、筆ペンよりもペン先がしっかりしているので、イラストだけでなく文字もスムーズに書くことができました。筆ペンのように、強弱をつけた文字を書くこともできますし、今回のようにシンプルな線を表現することもできるので便利ですね。
椿をモチーフにした年賀状も、色数を抑えつつ、色味のコントラストをきかせることで、モダンかつ印象的な仕上がりに。
「筆之助」の鮮やかな色展開を活かして、椿をポップに描きました。色を塗るときは筆先を寝かせて使い、花びらの中央部分や葉っぱの線を描くときは、筆先を立たせるだけでかんたんに極細の線を描くことができました。線の太さを調節しやすいので、どんどん描けてしまいます。
そして完成した年賀状がこちら。
「モチーフには、自分が好きなもの(鳥)、友人が好きなもの(猫)、みんなが好きそうなもの(お花)を選びました」とitsukonakaさん。
独特のイラストと色使いが、大人かわいい年賀状ですね。
今回は、年賀状の定番とも言える干支や松竹梅などはあえて使わずに、たのしい雰囲気の「メッセージカード」をイメージしてつくりました。使用した「筆之助」はどんな線も手軽に描けて、失敗しにくい、イラスト初心者にもおすすめの画材だなと感じました。ペンと筆ペンの間のようでとても使いやすかったです。
こちらはご友人向けにと描かれた、猫の年賀状。絡み合うカラフルな毛糸がキュートです。
「送る相手をイメージして、あの人ならどんなイラストを添えようかと考えてみる時間もたのしいものです」とitsukonakaさん。
毎年送り合う年賀状の中でも、手にしてずっと記憶に残っているものは、どれも直筆、手描きのイラスト入りだと言います。
家族の写真や和風テイストの印刷、かわいいイラスト入りなど、毎年それぞれの年賀状に「その人らしさ」が出ていていいなと感じます。その中でも、不思議とずっと印象に残っているのは、直筆のメッセージとともに、手描きのイラストが入った年賀状です。同じイラストでも印刷とは違う「なにか」が手描きにはあるのだと感じます。みなさんも「筆之助」のように描きやすいペンを見つけて、おうちでゆっくり描いてみてはいかがでしょう。
送る相手を思って描き、相手のイメージに合わせて彩ることも、手描きだからできること。イラストも文字も思いのまま描ける「筆之助」と、作家さんの自由なモチーフ選び、色使いで、かしこまりすぎない、メッセージカードのようなたのしい年賀状が完成しました。
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「手描き」だから伝わるものを
イラストからレタリングまで、太い線も極細の線も自在にたのしめる、筆文字サインペン「筆之助」はまさに、年賀状にぴったりです。
おうちで過ごす時間が増えたこの冬こそ。
大切なあの人とも、なかなか会えなかったからこそ。
今年の年賀状は「手描き」ならではのぬくもりを添えて送ってみませんか。
誰しもにとって、良い年となりますように。