いまや"氷の町"として全国に名の知れた奈良県。市内を歩くとあちらこちらで氷旗が見られます。数多あるかき氷店の中から、SNSを見てどうしようもなく気になっていた『お庭shaveice miracolo』を尋ね、お目当てのかき氷2種類をいただきました。
準備に1年をかけて2019年オープン、3度目の夏を迎える『miracolo』
お店があるのは名勝 旧大乗院庭園の南、ならまち大通りの福智院北交差点の一本南にある細い道(新薬師寺の案内看板があります)を東に40歩ほど歩いた場所。2階の壁に「NARAMACHI GARDEN」の黄緑色の大きな看板があるので、それが目印です。
軒先には本日提供されるかき氷が写真付きで紹介されています。日によりますが、だいたい5種類ほど用意されています。
風にたなびく氷旗に誘われて店内へ
入り口のカウンターで氷を注文してお席へ
壁一面の掃き出し窓からお庭が見える清々しい店内。中に9席、テラスにも6席ほど椅子が用意されています。
無垢の木と畳が組み合わされた床。靴を脱いで上がれば、友人の家でもてなされているような開放感。
店主の奥谷美樹さんは、昔からかき氷が大好きで、バリバリと働いていた証券マン時代も「将来、かき氷店をしたい」が口癖だったそう。誰よりもかき氷に対する評価が厳しいから、自身がお店をする際も「本当に美味しい」と納得できるまでオープンできないと考え、店舗の場所が確保できて、かき氷店を開くと決めてから1年間、準備に時間を費やしました。
空気をはらんでふわふわした食感が生まれる削り方、時間が経っても氷が溶けにくい器など細部にまでこだわります。
コロコロコロ…こんふぇいとを飾って仕上げる「塩ココパイン」
塩ココパイン1100円
店名の「shaveice(シェイブアイス)」はハワイでのかき氷の呼称。「塩ココパイン」は生のパイナップルとココナッツでシロップを作った、特にハワイアンムードに溢れる一品です。
パイナップルとココナッツだけでも大満足なのに、さらに創業安政元年の砂糖商『砂糖傳増尾商店』の「奈良こんふぇいと(金平糖)塩味」が付いているのだから、たまりません。
氷の仕上げは自分で。クリームのうえにかわいくパラパラと金平糖をのせていきます。かき氷だけで食べたい人はガラス瓶のままお持ち帰りOK!「熱中症対策にお持ち帰りいただいています」と奥谷さん。うれしいサービスです。
パイナップルの黄色とクリームの白と青い金平糖の粒の組み合わせがとってもキュート。
ふわふわのかき氷とまったりとしたクリーム、金平糖の粒の食感の違いがおもしろいです。小さな粒ですが、塩味がしっかりと効いていて、よいアクセント。食べ進めるとココナッツの甘くてミルキーなシロップが出てきて、飽きさせません。
好き嫌いが分かれる? 初めて食べた日から毎週通うファンもいる「本気の生姜」
MAX Ginger ~本気の生姜~ 900円
とにかく魅力的なメニューが揃う『miracolo』の中で、一番気になっていたメニューが「MAX Ginger ~本気の生姜~」です。いろんな店で、メニューに「自家製ジンジャエール」の文字を見かけると必ず注文するのですが、なかなか満足する出合いはなく…。こちらの「本気の生姜」とっても楽しみにやってきました。
数種類のスパイスとともに甘く煮込んで、最大限に生姜のうまみを抽出したスパイスジンジャーシロップをたっぷりかけたかき氷。うずたかく盛られた氷の上には、生姜のスパイス煮がトッピングされています。おいしそう!!
本気の生姜いただきます! 氷で冷やされているので最初はわかりませんが、二口三口と食べていくうちに口の中がピリピリしてきて、鼻に抜けるような生姜の辛みが襲ってきます。コレ、求めていたやつ!「好き嫌いが分かれる氷ですけれど、この氷を食べるために毎週欠かさず来られるお客さんもいらっしゃいます」とのこと。共感!
味を変えたいときは、添えられたレモンを2、3滴たらすと生姜の辛さが少し弱まるそう。食べ進めると真ん中あたりでクリームが出てきます。これが『miracolo』秘伝の隠し味クレームダンジュ。生姜氷が、この瞬間、洋菓子みたいな味わいに変わるのです。不思議! クリームチーズの余韻が広がります。