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カルチャー

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

もっと哀しくなろうよ

今週のさそり座は、従うべきプログラムより拠って立つべきパースペクティヴを、鮮明にしていこうとするような星回り。

私たちが時おり訳もなく哀しくなるのは、文明社会ではあらゆる物事が予定調和的にコンクリートで固められ、現実のたえず揺れ動いて捉えどころのない側面に蓋がされていくことに、一個の生命としてどうしようもない違和感を覚えてしまうからなのでしょう。

例えば、俳句の五七五のリズムは元をたどれば海洋民におけるオールを漕ぐリズムの記憶を伝えるものであるという説がありますが、それは自分たちが拠って立つのはつねに安定している大地などではなく、いつ何時揺らぐか分からない船の上であり、その下には人間にはどうしようもない海という大自然が広がっているのだという、無常感に通じる現実感覚があったのかも知れません。

その意味で、俳人とはただ自身の心情を花鳥風月に託して詠んでいるのではなくて、あくまで現実の奥底に流れる「水の動き」に同調し、自分のいのちを担保にして移りゆく風景を写しとり、また舟の底から感じられる自然や死の生音に耳をかたむけている訳です。あなたもまた、そんな俳人の根本にある精神性に、自然と引き寄せられていくことでしょう。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

いかんともしがたい受動性

今週のいて座は、アイデンティティを、他者との関係性のなかで捉えなおしていこうとするような星回り。

私たちは生きるということを、どこかで時間の経過に従って何かしら経験や価値や資産が増大していくものであり、そうあるべきと考えてしまうところがあるように思いますが(だからこそ老いや衰えを資産の減少と考えありえない事態と感じてしまう)、与えられた「生命」を生きているという視点から考えれば、実際にはみな平等に刻一刻と残りの生き時間が引かれているだけなのだとも言えます。

そして、そういう自覚が深まっていくなかで初めて、よりたくさんの価値を取り入れようとするのではなく、必要な分だけ取り入れ、余った分は周囲に分配していくという発想が自然に生まれ、結果的に、慎ましさやユーモアといったものが本人の佇まいに立ち現れてくるものなのではないでしょうか。

その意味で今週のいて座は、深く静かに呼吸を整えつつ、何か自分を包む大いなるものに生かされてきた恩恵と幸運に、そっと思いを馳せていきたいところです。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

めんどうだけどこれでいく

今週のやぎ座は、「たかが」と「されど」のはざまに立っていくような星回り。

「切株やあるくぎんなんぎんのよる」(加藤郁乎)は、昭和三十四年、作者が三十歳のときに出した第一句集『球体感覚』に収録された一句。「あるくぎんなんぎんのよる」を「歩く銀杏銀の夜」と読めば、銀色に照る月光のもとで銀杏の実が歩きだす幻想的な光景が浮かび上がってきて、どっしりとした「切株」の存在感とあいまって、おとぎばなしのワンシーンのような遊びのある句となります。

しかし、あえて平仮名にしてあることを鑑みて、松山俊太郎が指摘しているように別の読み方をすれば「或る苦吟難吟の夜」となり、句作の舞台裏で苦しみ抜いている作者の姿が現れてくる。いずれの解釈が正しいかという愚問は脇に置くとして、声に出して読んでみると「ぎんなんぎん」というはねるようなリズムがなんとも心地よく、それ自体が苦しみと楽しみが分かちがたく結びついた、作者の言葉にならない心境を物語っているかのよう。

作者にとって俳句はしょせん言葉を尽くした遊びであり、同時に、命をかけた遊びでもあったのかも知れません。あなたもまた、そうした苦しみと楽しみの両極のはざまにこそ自分の居場所や立ち位置を改めて見い出していきたいところです。

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