近年の健康ブームや腸活ブームで、腸内環境の大切さは定着してきました。一方で、「腸の冷え」を意識したことはありますか?「腸の冷え」は体のさまざまな不調を招く原因の可能性があります。そこで今回は、「腸の冷え」の原因と、症状、改善策について解説していきます。
「腸の冷え」について
お腹を触るとなんだか冷たい、下痢や便秘などの消化不良症状が続く、疲労感が取れにくい…などを感じる場合、腸が冷えている可能性があります。
腸は食事内容をダイレクトに反映する内臓であるほか、精神面などの影響も受けやすい臓器です。腸が冷える原因は、大きく3つ考えられます。
①冷たいものばかり飲む・食べる
暑い時期は特にですが、冷たいドリンクや冷たい食べ物ばかりを食べていませんか? 冷たい飲みものは全身を冷やすほか、腸を物理的に冷やしてしまいます。暑い季節に喉が渇いた時、温かい飲み物を飲みにくい気持ちもわかりますが、腸の不調がある際は避ける方が好ましいでしょう。
②ストレスを感じている
私たちの体は、自律神経(交感神経・副交感神経)によってコントロールされています。胃や腸などの消化器官は、副交感神経優位な状態で活発に動き、食べ物から栄養素を吸収する作業をしています。
ところが、ストレスを感じると交感神経が優位な状態になってしまいます。その結果、腸の動きが鈍くなり、血流の悪化や栄養素の代謝が十分でなくなるためエネルギー不足となり、腸の冷えを招く可能性があります。
③運動不足
Pixabay
近年、在宅ワークが主流となり、基本的に一日中座りっぱなし…という人、多いのではないでしょうか。1日の身体活動量が減ってしまうことでも、腸内の血流が鈍くなってしまい、腸の冷えを招く原因になります。
腸の冷えによって起こる不調
Pixabay
私たちの全身の健康を担っていると言っても過言ではない腸。そんな「腸の冷え」によっておこる不調は以下のようなものが考えられます。
特に、腸には免疫細胞の7割が存在しているといわれます。そのため、腸の冷えを解消することは、全身の健康から免疫力の向上につながります。
腸の冷えを解消する方法(食・生活習慣)
冷え改善のための食事方法
Pixabay
■生姜・ねぎなどの薬味を食べる
普段のお味噌汁に生姜・ねぎを入れる、紅茶に生姜を溶かして飲む、など、普段の生活に生姜やねぎを足すだけでも冷えの改善につながります。
特に生姜、ごぼう、レンコンなどの根野菜は、体を温める作用があるので、ぜひ取り入れてみてください。
■温かく調理して食べる
冷やしうどんや冷やし中華などの冷たい料理もまた、物理的に腸を冷やしてしまう食べ物です。絶対食べたらダメというわけではありませんが、腸や全身の冷えが気になる方は控えめにし、温かい料理を食べるようにしましょう。
■糖質をしっかり食べる
糖質には体を温める作用があります。特に未精製の穀類はビタミン・ミネラルも豊富に含んでいるため、栄養素の代謝を促進し、食物繊維によって腸の動きを活発にしてくれます。