海外旅行をするのが難しい今ですが、日本国内にもまるで海外にいるかのような絶景が楽しめるスポットがあります。今回は、『東京ジャーミイ・トルコ文化センター』をご紹介。華やかなイスラムのアートがちりばめられた日本最大のモスクをはじめ、本場の食が味わえるカフェやマーケットを巡り、トルコを旅している気分になれます♪
トルコの伝統が息づくモスク『東京ジャーミイ』
『東京ジャーミイ』は代々木上原駅から歩いて5分程の場所にあります。開設は2000年。1938年にこの地につくられた初代モスク「東京回教礼拝堂」が老朽化により取り壊された後、モスク再建のためにトルコ全土から集まった寄付金により建設されました。
異国情緒あふれる建物はオスマン朝最盛期のモスクのデザインを踏襲。水とコンクリート以外の建築資材はすべてトルコから運んできたというので驚きです!多い時には100人を超えるトルコの職人が建設に従事したといいます。
1階は多目的ホールや書店などを備えた『トルコ文化センター』となっています。装飾タイルでできた暖炉が華を添えるゲストルームで、無料でふるまわれるデーツ(ナツメヤシ)の実と熱々のチャイをいただきながら、ゆったりくつろぐこともできますよ。
礼拝堂があるのは2階。モスクはイスラム教の礼拝所ですが、『東京ジャーミイ』は誰でも自由に見学可能。気軽にイスラム教の文化に触れられる貴重な場所です。幾何学模様の彫刻が施された美しい扉を開けて、いざ堂内へ!
一歩入れば別世界!礼拝堂は時を忘れる美しさ
陽の光を受けてきらめくステンドグラスに流麗なアラビア文字や幾何学模様、植物模様……ドーム型の天井をもつ祈りの空間は、見渡す限りため息が出るほどの美しさ。華麗でありながら荘厳な雰囲気が漂います。
中央に吊り下げられたシャンデリアを真下から見上げると雪の結晶の模様に。首が痛くなるまでうっとり見とれてしまいます。
色鮮やかなステンドグラスやコーランのアラビア文字をデザインしたカリグラフィなど、装飾は職人の手仕事によるもの。ひとつ一つに引き込まれ、時間を忘れてしまいそう。絨毯に落ちる窓の影までアートのようです。
3階には女性専用の礼拝所があります。シャンデリアやステンドグラスが目の高さに。天井も近くで見ることができて感動!
集団礼拝は1日5回行われ、見学が可能。礼拝では、聖地・メッカの方角に向かい、横一列になって祈りを捧げます。皮膚の色、民族、貧富、社会的地位などに関わらず、人は皆平等だという教えに基づいているのだといいます。
礼拝堂内を堪能したら、建物の外側のユニークな意匠にも注目を。1階入り口の脇にある水道は、動物たちに水を与えるための泉なのだとか。
壁の屋根に近い辺りには、「鳥の宮殿」と呼ばれる、鳥が羽を休めるための巣が全部で4つあります。これらは、すべての命を慈しみなさいという教えを表しているのだそう。そのやさしさに、心がじんわりしますね。
毎週土・日曜には、14時30分からガイド付きの見学ツアーが開催されています。約1時間で東京ジャーミイの歴史やアート、イスラム教のことなどを知れるとあって人気です。予約不要なので気軽に参加できますよ。