生理前になるとやってくるイライラや気分の落ち込みなどは、人によって症状も様々。ホルモンの影響で、ある程度は誰にでも起こるものですが、症状が強い場合は放っておくと、鬱など更なる不調につながりやすいので、食事や生活習慣をみなおしていく必要があります。今回はPMS(生理前症候群)の原因となるセロトニンの不足とそれを補うヒントにフォーカスして紹介していきます。
生理前に不足するセロトニンを増やしてPMSを乗り切ろう
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれていて、精神に落ち着きを与え、こころを安定させてくれる神経伝達物質です。このセロトニンは誰しもホルモンの働きで生理の1週間前になると量が減ってしまうもの。これがPMS(生理前症候群)のイライラなどメンタル不調につながります。
ただでさえ、生理前に不足するセロトニンですが、栄養不足でも低下しやすくなります。セロトニンを作る上で不足させたくない栄養素としては、ビタミンB6、マグネシウム、トリプトファン、炭水化物。これらが多く含まれるのは、魚、豆(大豆やインゲン豆など)、くるみやカシューナッツ、アーモンドなどナッツ類、バナナ、キウイなど。
ちなみに妊活のために必要な栄養素として知られる葉酸も、PMSで精神的不調が強い方には不足しないように気を付けてほしい栄養素です。葉酸が不足するとセロトニンなどを作りにくくなるといわれていて、不足するとうつ病になりやすくなるというデータも。名前からわかりやすいですが葉野菜に多く含まれている他、量には注意が必要ですが緑茶でもとることができます。
これらの食材を、何かひとつをたくさんとるのではなく、こまめにいろんなものを取るようにすることをおすすめします。特にホルモンの材料ともなるタンパク質がとれる魚か豆は、1日にどちらかは必ずとりたい食材。ごはんなどの主食を完全に抜いてしまうことも、セロトニンの原料がなくなってしまうことになるばかりが、スイーツなど甘味の強いもののドカ食いに繋がりやすくなります。
ダイエット目的などで主食を食べないスタイルの方も、1日のうち1食は主食をとることはPMS対策としてとても大切です。PMSとうまくつきあえないと、せっかく頑張ったダイエットもリバウンドで水の泡ということになりかねなません。ダイエット中の方で、生理前に毎回リバウンドを繰り返している方は、急激に欠食したりせず、無理なくダイエットをしていった方が結果リバウンドをもしにくいはず。
飲み物の選び方や量もセロトニンを増やすカギ
「わたしはたくさん食べているから栄養不足になることはないから大丈夫」という人も要注意。せっかくセロトニンのためにとった栄養素も、とりすぎている成分があると栄養の吸収が悪くなってしまいます。先ほどおすすめ食材として紹介した緑茶も、カテキンや葉酸などの栄養がとれて健康効果はありますが、取りすぎればカフェインやタンニンの影響でマグネシウムや鉄のカルシウムの吸収を阻害する働きを持ちます。飲みすぎには注意しましょう。
特に食事中は常温以上の水か、カフェインやタンニンが少ない、ハーブティや麦茶、玄米茶などがおすすめです。お茶・コーヒーの他にも吸収を阻害する影響について気を付けたいのが加工品やコンビニのごはんなどに含まれる食品添加物。せっかく摂取した栄養素が排出されてしまう働きを持つものもあります。加工品を完全に避けるのは難しくても、PMSの症状がつらいときは、ついつい取りすぎていないかメモして振り返ってみたり、減らしたときとの体調の変化を観察してみましょう。
食べるだけでは不十分!朝のルーティン
セロトニンは食べるだけでは増えないので、更に太陽の光を浴びることも必要。特に起床後30分以内に浴びるのが◎です。同じリズムを刻むリズム運動もセロトニンが分泌されやすくなるので、朝起きたらすぐにウォーキングに出かけるのは最高ですが、朝はなかなか出かけるのが難しいという方は、カーテンをあけて日の光を感じながらその場歩きをするだけでもセロトニンの分泌を促すことにつながります。窓辺で朝日をあびながら、吸う息、吐く息を一定のリズムで行う呼吸法もおすすめ。
生理前のメンタル不調が気になっている方は、ぜひ試してみて下さい。