ヨガはアーサナ(ポーズ)、呼吸法、瞑想の3つのメソッドで成り立っています。ポーズをとることだけがヨガではなく、呼吸法や瞑想を快適に行うための最初の一歩がアーサナであり、ポーズを安定させることがヨガを深めていくことにつながります。快適で安定したポーズをとるためにおさえておきたいポイントについてまとめてみました。「ヨガをもっと深めたい」という人だけでなく、「これからヨガをやってみたい」と思っているあなたも、基本的なことから確認してみましょう。
須藤玲子
土台の安定
ヨガのポーズには安楽座などの座位、よつばい、膝立ち、立位等、多くのバリエーションがあります。どのような姿勢であっても、最初に意識したいのは、マットや床と接する土台です。鏡のあるスタジオのレッスンでは、つい自分の顔や上半身に目が向いてしまいがちですが、まずは土台となる足元から確認するようにしましょう!ジェンガというゲームをご存知でしょうか?積み木のようなブロックを積み重ね、崩してしまうとゲームオーバー。ヨガのポーズもジェンガと同様です。土台となる足元からひとつひとつ正しく積み重ねていくことで安定して崩れないポーズにつながっていくのです。
呼吸の安定
レッスン中にがんばりすぎて、周りの人と張り合ってしまうことはありませんか? ヨガは自分のペースで行うもの。キツい!と感じた時は呼吸を観察してみてください。心地よいと感じるときに比べて浅くなったり、あるいは、歯を食いしばって呼吸が止まっていたりしませんか?ヨガは呼吸を深めながらポーズをとるもの。たとえ動きがなく、キープしているときでも安定した深い呼吸を繰り返しましょう。ポーズを安定させ、心地よくキープするためには呼吸の安定は不可欠です。
視線の安定
スタジオでのレッスンには、初心者から何年もヨガを続けていている上級者まで、多くの人が参加しています。鏡越しに隣の人をチラ見して自分と比べてしまうことはありませんか?「他人と比べない」と頭で理解していても、つい周りと比べて「自分が劣っているのでは?」と凹んでしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。ヨガは自分の呼吸、内側の感覚に集中することが大切です。集中するときに大切なのはキョロキョロせずに視線を安定させること。周りを気にせず、どこか一点を見つめるように視線を定めましょう!周りの誰かに気を取られなくなると、集中力が増し、ポーズも徐々に安定してくるでしょう。
基本を大切にしよう
ヨガのポーズをとる上で大切なことは、安定と快適さ。見た目の美しさではありません。体型や骨格が違うのと同様に、快適さはみんな一緒ではなく、その時々の身体や心の状態によって変わることもあります。いつもの心地よさが感じられないときは、基本にもどり、土台、呼吸、視線に意識を向けてみましょう! ひとつひとつを安定させることで、今よりもっとヨガが楽しめるようになるはずです。そして更にヨガを深めるための一歩を踏み出せるかもしれません。