気温が下がると恋しくなるのが、ホクホクとした甘い焼きいも。ただ家で焼きいもを作ってもなかなかお店のように甘くならないという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?どうやったら甘くおいしい焼き芋ができるのかを解説します。
ホクホク系?ねっとり系?さつまいもの品種について
最近は品種改良が進み、様々な種類のさつまいもが店頭に並ぶようになりました。品種によっても味わいが大きく異なるので、自分好みのさつまいもを選ぶことがまず大切。昔はホクホクとしたさつまいもが主流でしたが、最近では冷めてもおいしいねっとりとした品種も増えています。
・ホクホク系のさつまいも
昔ながらの栗のようなホクホクとしたさつまいも。
「紅あずま」「鳴門金時」など
・ねっとり系のさつまいも
最近人気のしっかりした甘さが特徴のさつまいも。
「安納芋」「紅はるか」「シルクスイート」など
市販の石焼きいもは「紅はるか」を用いることが多いそう。
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石焼きいもが甘い理由とは?
お店で購入した石焼きいもはなぜ甘さが強いのでしょうか?それはさつまいもの主成分であるでんぷんが麦芽糖という糖に変化するから。この麦芽糖がたくさんできればできるほど甘さを感じやすくなります。ただこの麦芽糖ができるにはちょっとしたポイントが。それは加熱する温度と時間です。
でんぷんを麦芽糖に分解するのはアミラーゼという酵素。このアミラーゼは80℃以上になると働きが低下してしまいます。またアミラーゼはでんぷんが糊化しないと働かないのですが、糊化するには60℃以上になることが必要。つまり、60〜80℃の温度帯で長く加熱すると、麦芽糖がたくさんできて、甘い焼きいもになります。
電子レンジで加熱したさつまいもがあまり甘くならないのは、素早く加熱できる反面、60〜80℃の温度帯をすぐに通り越してしまうからなのです。
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おうちで甘い焼きいもを作るには?
ではおうちで焼きいもを作ってみましょう。色々な方法がありますが、今回は温度の調整がしやすく、焼きいも特有の甘さと香ばしさが出せるオーブンを使った方法をご紹介します。
①天板にアルミホイルもしくはオーブンシートをしき、よく洗ったさつまいもを並べる。
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※さつまいもの蜜が天板に垂れることがある為、アルミホイルをしくとその後の掃除が簡単です。
※さつまいもが太すぎると加熱するのに時間がかかるので、細めのものの方がおすすめです。
②160℃に予熱したオーブンで60〜90分ほど焼く。
※細いものだと60分ほどで焼けます。様子を見ながら焼いてください。
③竹串を刺して、すっと通ったら出来上がり。
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ポイントはアルミホイルをまかずに焼くこと。右がアルミホイルを巻いたもの、左が巻かずに焼いたものですが、違いは一目瞭然。アルミホイルを巻かずに焼くと、さつまいもの水分が蒸発してより甘さを感じやすくなります。また皮がパリッとして、お店の焼き芋のような香ばしさを感じられます。
おうちでもお店顔負けの甘い焼きいもが意外と簡単に作れるので、ぜひお試しください。
<参考元>
JAグループ 秋・冬の旬野菜サツマイモ