すぐに復習できる
階段で2階に上がると、海をテーマにした展示となっています。ライトアップがきれい。
幻想的な空間で、時間を気にすることなくじっくりと観察に没頭できます。
巨大なアンモライト(宝石化したアンモナイト)
魚類化石の数は日本最大級だそう
3階にはキッズスペースや図書コーナーがあり、博物館で見た恐竜や化石についておさらいすることができます。この日は、「部屋に戻って休憩しよっか」と話しながら展示室と客室を行き来する親子がいました。
心ゆくまで見学したら、博物館クイズに挑戦しても、すぐにベッドに入ってもOK。宿泊できる博物館の醍醐味です。
宿場町の名残
翌朝、朝食でごはんを選ぶと、仁多米の土鍋ごはんと焼き鯖の献立でした。仁多米は、たたら製鉄で砂鉄を採るために山を切り崩した跡地を棚田に再生して育てられたブランド米。焼き鯖は、たたら製鉄が栄えた時代、山陰沖で獲れた魚を山間地まで運ぶ工夫として生まれ、この地域の人たちの貴重なタンパク源として愛されてきました。
仁多米の土鍋ごはんと焼き鯖の朝食
レストランがある6階からの眺めは、集落と田んぼ。見たことがある三角屋根のついた建物が近くに見え、博物館もよく似た外観をしています。
改めて、なぜここに宿泊できる博物館がつくられたのかが気になります。奥出雲多根自然博物館の支配人である名和亨さんに、なりたちを聞きました。
「ここは、『メガネの三城』の創業者である多根良尾が『ふるさとへの恩返しに旅館をつくりたい』という思いから構想し、その遺志を受け継いだ長男の裕詞が建てました」
博物館の外観が「メガネの三城(現在はパリミキ)」の店舗と似ているのはこのためです。ただ、近くの「パリミキ奥出雲店」のほうは利用客が減って赤字が続き、2023年10月末で閉店しました。