今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
「伝える」から「伝わる」へ
今週のかに座は、話のコンテンツや発信内容より「何を念じているか」を大切にしていこうとするような星回り。
「ゼウクシスとパラシオスの腕競べ」の寓話のごとし。
この寓話の教訓について、ジャック・ラカンは「パラシオスの例が明らかにしていることは、人間を騙そうとするなら、示されるべきものは覆いとしての絵画、つまりその向こう側を見させるような何かでなくてはならない」のだと述べています(『ジャック・ラカン 精神分析の四基本概念』小出浩之訳)。
あなたもまた、誰と対せど何と向かえど、これまでどこか無意識のうちに自分が発していたメタ・メッセージの中身について、改めて自覚的になる瞬間が訪れていきやすいでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ハッとして!Good
今週のしし座は、予期しなかった世の流れに呑まれ、あらぬ方へと押し流されていくような星回り。
『世の中は三日見ぬ間に桜かな』(大島蓼太)という句のごとし。
ちょうどこのくらいの時期の桜も、やっと咲き始めたかと思ったら、あっという間に満開になって、あっさり散ってしまいます。その鮮やかさと、取り返しのつかさなさに、人はまんまとしてやられ、あるいは自分が失ってしまったものの大きさを思うのです。
あなたもまた、めんこ遊びのように自分のなかで「図と地」がひっくり返されていくような動きが出てくるはず。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
愚かで透過
今週のおとめ座は、唐突に、不明な理由で、「なぞのばしょ」へと突きぬけていってしまうような星回り。
バックルームとは、2020年頃に欧米圏で広がったインターネット都市伝説で、現実世界から「透過モード」により迷い込んでしまう、黄色い壁紙と蛍光灯とカーペット敷きの部屋を貴重とした閑散とした無限空間のこと。
ここで言う「透過モード」はゲーム用語の「noclip」の訳語で、ゲーム内を移動するときに、壁やオブジェクト、他のキャラクターなどにぶつかって動きが制限されないようにするデバック用のモードのこと。要は、本来なら到達不可能な「なぞのばしょ」に行けてしまうといったバグの発生を前提としているわけです。
あなたもまた、どこか非人間的で、偶然的な仕方で普段ならまず到達不可能な場所へと足を踏み入れていきやすいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
イデア一直線
今週のてんびん座は、肉体の目ではなく魂の目をかっ開いていこうとするような星回り。
『手をのばせば腋かがやきぬ鳥の恋』(高山れおな)という句のごとし。
私たちは日頃から何かと「恋とは、愛とは」などと語りあっているが、私たちが知っている知識は、何ら真理とは言えない。ひたすら、大空の彼方に思いを寄せ、無限に近い時間と空間の果てにやるせない憧れの念を飛ばし続けることこそあらゆる哲学の基礎であり、抒情詩の根源であったのではないだろうか。そりゃ、腋もかがやくってなもんだ。
あなたもまた、どんなに困難が伴い、時間がかかったとしても、心から実現させたいと思えるような‟念願”を天上に刻みつけていくべし。