夜中に何度も目が覚めてしまう。朝起きたのに疲れが取れていない。そんな「なんとなく眠りが浅い」状態に悩む人が多い中、簡単に取り入れられる食材が睡眠の質に良い影響を与えることが科学的に示された。
「野菜と果物」をよく食べると睡眠の質が上がる
最新の研究によると、野菜や果物、そして全粒穀物を多く食べる人は、より深く、より長く、そして途中で目覚めにくい“良質な睡眠”をとっていることが明らかになった。今回の研究を行ったのは、アメリカのコロンビア大学とシカゴ大学の睡眠研究チーム。34名の健康な若者を対象に、食事の内容と睡眠パターンを数日間にわたり記録、分析した。
すると、1日を通して野菜や果物、そして複雑な炭水化物(全粒穀物や豆類など)を多く摂取していた人たちは、夜間の覚醒が少なく、深い睡眠が得られている傾向が見られたのだ。逆に、加工食品や砂糖の多い食事をしていた人は、睡眠が浅くなりやすい傾向があった。研究者たちは、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨する「1日5カップの野菜と果物」を摂取した場合、睡眠の質が最大16%向上する可能性があると推定した。
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眠りを誘うホルモン「メラトニン」は食べ物でサポート
では、なぜ野菜や果物が睡眠に効くのだろうか?キーワードは「トリプトファン」「マグネシウム」「フィトメラトニン(植物性メラトニン)」。これらの成分は、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を促し、眠気を自然に引き出してくれる働きがある。「トリプトファン」は、脳内でメラトニンの前駆体であるセロトニンに変化する。バナナやオートミール、ナッツ類に豊富に含まれる。また、「マグネシウム」は、神経の興奮を抑え、体をリラックス状態に導く。アーモンド、かぼちゃの種、ホウレンソウなどに多く含まれる。そして、「フィトメラトニン」は、サクランボやぶどう、キウイ、トマトなどの果物や野菜に自然に含まれる“眠りの分子”。つまり、メラトニンの“材料”と“そのもの”を自然に摂取できるのが、野菜と果物の強みなのだ。)
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メラトニンの材料、セロトニンの約9割を作るのは実は腸!
もうひとつ注目されているのが、「腸」と「睡眠」の関係だ。野菜や果物には食物繊維が多く含まれており、腸内環境を整える効果がある。腸は“第二の脳”と呼ばれ、セロトニンの約9割を作っているのも実は腸だ。つまり、野菜や果物で腸が整うと、自然と睡眠ホルモンのバランスもよくなる。神経内科医で睡眠専門医のW・クリストファー・ウィンター医師も、「野菜や果物の摂取は、腸内の神経伝達物質の生成を助け、睡眠の質に良い影響を与える」とコメントしている。
眠れないなら、まず毎日の食事を見直してみて
ぐっすり眠るために、サプリや快眠グッズを試す前に、まずは日常の食生活を見直してみては?特別な調理や手間は必要ない。サラダを1皿、果物を1つ、白米を玄米にしてみる。そんな小さな変化が、あなたの夜を変えてくれるかもしれない。野菜と果物は、睡眠だけでなく、心と体すべてにやさしい存在だ。
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