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「許せない気持ち」を手放すヨガ的思考とは?

日本を代表するヨガ指導者ケン・ハラクマさんが、すべてのヨギへ贈る心温まる言葉のギフト。連載形式で、ケン・ハラクマさんの愛や思想を学びます。今回のテーマは「他人を許せない」というネガティブマインドとの向き合い方について。

ケン・ハラクマ

料理、睡眠、ヨガetc.何かに没頭することでネガティブな思考を切り離す

みなさんは、友達や仕事仲間に対して「許せない」感情を手放せないときどうしていますか。いつも穏やかにいられたら理想的ですが、そうもいかないのが現実です。たとえば、誰かに納得のいかないことをされたり、身に覚えのないトラブルに巻き込まれたりもします。また、仕事で思うように力を発揮できず、自分自身を責めてしまうこともあるでしょう。マイナスの思考のとき、そこに留まってしまうとエネルギーも滞ったままです。そうかといって、思考だけをシフトさせてマインドを変えようとするのはとても難しいこと。思考の変化を後押しするのは、何気ない行動だったりします。内側に向かわず、自分の外側に手助けを求め、プラスのエネルギーを注入して。「許せない」 という感情が湧き起こったら、共感してくれる親友に話したり、公園で空を仰いだりするだけでも心の重りが溶けていくのを感じられるはず。料理をつくりできあがったものに喜びを見出し、食べて味わいを感じるのもいいでしょう。何かに没頭するとマイナスの思考から切り離され心が軽くなるものです。

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(Photo by PIXTA)

また、たっぷり眠れば活力が補え、目覚めたときニュートラルな状態からリスタートできます。五感が心地よくなるものを自分からすすんで味わうことで留まっていた思考が癒され、元気づけられていきます。何もやる気が起きないときもあえて行動を起こすことで思考が前向きに変化します。ヨガの思想には、アヒムサー(非暴力)といって 「いかなる暴力に対しても平和的な思考で過ごしましょう」
という教えがあります。やられたらやりかえすという発想はヨガにはありません。現代生活で完璧に実践するのは難しいものの、頭の片隅に置いておくと、心がざわめいたとき平穏を取り戻す助けになるかもしれませんね。人間の思考パターン、そして思考と行動の関係を理解できるとマイナスの思考からラクに抜け出せるようになります。日々の行動から自分に合う転換方法を見つけて試してみてください。

教えてくれたのは...ケン・ハラクマ先生
インターナショナルヨガセンター(IYC)&アシュタンガヨガジャパン主宰。日本ヨガ界の第一人者として国内外で精力的に指導&普及活動を行う。『ヨガ・マーラ』(産調出版)ほか監修書、著書やDVDも多数。

アシュタンガヨガ
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