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臨床心理士が提案!「周囲との関わりが疲れる…」繊細で敏感な人(HSP)のためのセルフケア

ライフスタイル

「大勢の人が集まるところは苦手…」「自分はこんなに考えているのになぜ相手は考えてくれないんだろう」「親が元気でいないのは、自分がきちんとしていないから」など、他者との関係にとても繊細で敏感に反応してしまうことはありませんか? また、そんな先生で敏感な自分に生きづらさを感じ、落ち込むあなたへ。ヨガインストラクターであり臨床心理士としても活動する筆者が日常を過ごしやすくするためのヒントをお届けします。

南 舞

繊細で敏感な人(HSP)とは?

感受性が高く、周囲の環境に敏感で繊細な人のことは「HSP(Highly Sensitive Person)」と呼ばれたりします。1996年にアメリカの精神分析医で学者のエレイン・アーロンによって提唱された概念です。五感が一般の人たちよりも敏感に働くため、他者が発した言葉、ガヤガヤとうるさい音、外部の様々な刺激に反応する回数が多くなってしまうのです。日本人では5人に1人がHSPあるいはHSP気質があると言われています。HSPあるいはHSP気質がある人たちは以下のような特徴があり、当てはまる人はHSPの気質が高いかもしれません。

・一度に多くの情報が頭の中に入ってくる/とても慎重で危機管理能力が高い
・共感力が高い/誰かと一緒にいるよりも一人の時間が心地よい/五感が敏感
・疲れをため込みやすい/変化に敏感/ネガティブ思考になりやすい

HSPの人が直面しやすい心の問題とは?

HSPのひとは全世界人口の2割、残り8割はそうでない人と言われています。そのためなかなか理解されないことも多く、孤独感を感じやすかったり、あるいは「なぜそんなに繊細なの?」「神経質すぎない?」などHSPな気質を周囲に否定されることで、自尊感情(自分には価値があると思う心)が低くなり、自分の発言や行動に自信が持てなくなってしまうことも。また、人よりも周囲の状況に敏感なので、人の感情(ポジティブなものもネガティブなものも)に影響されて振り回されてしまったり、人よりも心や体が疲弊しやすくなってしまったりします。

おだやかに過ごす3つのヒントは?

一見、とても生きづらそうに感じられるHSPの人たちですが、見方を変えたり、付き合い方のコツが分かれば日常をおだやかに過ごすことができるでしょう。また、実は今まで気付いていなかった、周囲の人たちにはマネできない才能を発揮したりするかもしれません。

① 物事の見方を変えてみる

どうしても物事をネガティブにとらえがちなHSP気質。『リフレーミング』というカウンセリングでも使われる手法を用いて、「敏感で生きづらい性格」から「感受性が豊かで共感力がある性格」と意味合いを変えてあげるだけで、ネガティブからポジティブな印象に代わりますし、少し気持ちが晴れてきますよね。

② 自分のストレスになるものを知っておく

生活環境の変化、競争、においや音、攻撃的だったり苦手だと感じる人、つらいニュースやもやもやした気持ちを生み出すSNS投稿など、どんなものが自分のストレスになるのかを知っておくことは自分を守ることにつながります。すべてをなくすことはできないかもしれませんが、なるべくストレスになるものとは距離を置くようにしたり、できる範囲でうまく付き合っていきましょう。

③ 他者ではなく自分に意識をむける練習をする

HSP気質の人は、自分よりも他者に意識が向きがち。そのため他者の行動や言動に振り回されて疲れてしまうことも。そんな時はぜひ自分に意識を向けられること、自分のための時間を作ってあげましょう。ヨガ哲学の中に「プラティヤハーラ」という教えがありますが、これは外に向いている意識を内側に向け、自分の中の内的感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などいわゆる五感のこと)を高めることです。

プラティヤハーラ

心と体はつながっていて互いに関係しているため、五感が感情に大きな影響を及ぼしています。ヨガは呼吸法、アーサナ(ポーズ)、瞑想を行うことによって、心と体をつながりやすくし、そして他者や物事に脅かされることなく、自分の意志でコントロールしていくための練習です。自分に意識が向けずらい人はぜひ実践してみることをおすすめします。

アーサナ

HSPは病気ではなく、その人の気質、個性です。治すことは難しくても、自分の中でHSP気質を理解し、上手に付き合っていくコツを学んだり、周囲からの理解が得られば今よりもっと過ごしやすくなるはず。自分なりに安心できる過ごし方を探してみてくださいね。

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