人の幸せを喜べないという感情はだれしも抱くもの。この記事では、友だちの幸せに嫉妬してしまう心理を踏まえて、友だちの幸せを喜べるようになる解決策を、心理カウンセラー・萩原かおりさんに解説してもらいました。
萩原かおり(心理カウンセラー)
アラサーというと、まわりの友だちに結婚・出産のニュースが増えてきて、思うようにいかない現実に焦りを感じる人も出てくるでしょう。
たとえ「結婚したい」「子どもがほしい」といった願望がなくても、自分と他人を比べてしまって羨ましさや嫉妬を抱く人もいます。
でも、人の幸せが喜べないからと自分を責める必要はありません。
そもそも、人の幸せを喜べない感情が生まれるのは、おかしなことではないのです。
人間の心理に着目して、幸せを喜べない状況について、心理カウンセラー・萩原かおりが解説します。
友だちの幸せを素直に喜べない心理とは
「友だちの幸せを喜べない」という感情を持つと、人は罪悪感を抱きやすいもの。
ここでは、友だちの幸せを素直に喜べない心理について、代表的なものを5つご紹介します。
(1)自分に自信がなく、他人に認められたいから
自分で自分を認めていれば自信を持つことができ、他人の幸せも素直に喜ぶことができます。
反対に、自分で自分を認められず自信を持てない人は、他人の幸せを喜ぶことができません。
これは、自分を認められないからこそ「他人から認められたい」と考えており、人からの称賛を求めているのです。
自分ではなく他人が幸せになっているのを見ると、「私はそんな幸福を手に入れていないのに」と落胆して劣等感を抱いてしまいます。
当然、「自分は他人から認められる存在だ」と思うこともできず、結果として嫉妬の感情を抱きやすくなるのです。
(2)現状に満足していないから
自分の仕事やプライベートなどに満足しておらず、不満を抱えている人は他人の幸せや成功を素直に喜ぶことができません。
むしろ、人が失敗したり破滅したりと他人の不幸を目の当たりにすると、安堵する傾向があります。
それに対して、自分の現状に満足している幸福な人は、他人の成功を素直に喜び、祝福することができます。
人の幸せを素直に喜べない人は、自分の仕事やプライベートになんらかの不満を抱えている可能性が高いでしょう。
(3)自分の女性性を確認したいから
今は女性の社会進出も当たり前になり、結婚しなくても十分に暮らしていける時代です。
それでも、友だちが先にプロポーズされたり結婚したりすると、焦りを感じて素直に喜べない女性は多くいます。
潜在的に潜んでいる欲望や不安が刺激され、ネガティブな感情が生まれてしまうのです。
これは、独身女性に「男性から選ばれていない」という不安感が強く残っており、自分の女性性を確認したいと感じる女性が多いことの証です。
(4)自分の証がほしいから
女性性もそうですが、「自分の証」がほしいと考えているアラサー女性は多いです。
自分の証とは、多様性が尊重されて、わかりやすい正解が用意されていない社会で生きるときに、「私はまちがっていない」と感じるための支えになるものです。
自分の選択に納得し、人生を肯定するための材料になります。
たとえば、マンション購入も「自分の証」のひとつ。
マンションを購入できることが自立や経済力の証明になり、今後の人生の保障にもなります。
こうした経済的な成功をおさめている人がまわりにいると、「私にはない証を持っている」と感じて不安になり、素直に喜ぶことができなくなってしまうのです。