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実は[無意識]が原因?あまのじゃくな行動をしてしまう時に知りたい3つのこと

ライフスタイル

家族、友人、恋人、夫婦などの親しい人との関係の中で、「この人、言葉と行動が矛盾しているなあ。」とか、あるいは「どうしてもこの人の前だと、思っていることと正反対の行動を取ってしまう。」なんて自分や他者の行動に矛盾を感じ、不思議に思うことはありませんか?実はそれって無意識に起きる行動で、ひょっとすると当の本人も苦しんでいるかも。臨床心理士でもある筆者が、無意識に起きてしまう行動とその対策についてお伝えします。

南 舞

矛盾した行動を取ってしまうこと、ありませんか?

周囲の人との関係の中で、こんなこと経験したことありませんか?

・好きな人に意地悪をしてしまう
・気づけば夫や妻といつもけんかになってしまう
・彼氏彼女のことは大好きだけど、素っ気なくしてしまう
・上司のことは嫌いなのに、ついついお世辞を言ってその場を取り繕ってしまう
・親のことは好きだけど、あまり近づいてほしくないと思ってしまう
・SNSなどで良い投稿だとは思わないけど、「いいね」を押してしまう

こう言った行動、一般的には「天邪鬼(あまのじゃく)」と呼ばれることが多いと思いますが、心理学では【反動形成】と呼ばれています。

【反動形成】とは

反動形成とは、精神分析の創始者であるフロイトによって提唱された、防衛機制と呼ばれるものの1つです。自分の本心を隠すために、無意識に、本心とは逆の行動を取ってしまうことを指します。反動形成は、<自分の気持ちを素直に表現できない・満たすことができない>という時に起きやすいのです。

それが嫌いな相手であれ、好きな相手であれ、どちらの場合も共通しているのは、「相手に嫌われたくない」という思いが根底にあること。「相手に嫌われるかもしれないから、ここは愛想良く振舞っておこう」「相手に嫌われるのが嫌だから、だったら先に嫌われるような行動をした方が良い」そんな気持ちになってしまうのです。

反動形成を起こしやすい人の特徴

反動形成の行動を取ってしまう人の特徴に共通するのは、「自分に自信がない」ことが挙げられると思います。つまり、自尊感情や自己肯定感の低さから、過度に周囲の反応を気にし、自分の思考や感情に蓋をしてしまうことも少なくないのです。

反動形成と付き合っていくには?

反動形成をされる側にとっては、なかなか厄介に思えますが、無意識にしている側からすると苦しいもの。反動形成と向き合っていくにはどうしたらよいのでしょうか?

①自分の気持ちに気づくよう意識を向ける

まずは、自分自身で“本心”と“抑圧しようとしている気持ち”の2つの気持ちの中で葛藤しているということを意識することから始めてみましょう。いつもは気づかなくても、意識することで、いつも以上に客観的に自分のことを観察し、本来の自分の気持ちが見えてくるかもしれません。

② 目に見える、聞こえる形で表現する

少し客観的に自分を観察し、本心が何かを理解することができたら、今度はそれを見える形、聞こえる形に表現してみると良いでしょう。例えば、紙に「○○が好き」「○○は嫌い」など書き出してみる、あるいは、声に出して、音として聞こえる形にすることも悪くないと思います。心のうちにしまい込んでいるものを表に出すだけでも意識の仕方が変わるかもしれません。

③ 自分の出した答えを肯定する

少し客観的に自分の気持ちを観察する中で、その気持ちを認められない、あるいは否定してしまうということもあるでしょう。「ネガティブな答えはよくない」と思いがちですが、自分の中で考えて出てきたことの結果なので、好きであれ嫌いであれ、どんな思いでも「これでOK」と自分の思いを肯定してあげると良いでしょう。

反動形成を付き合う中で一番大事なことは

ここまでのステップを踏む中で、なかなか考えがまとまらないこともあるでしょう。そんな時は信頼できる人と話をして整理してみることもひとつ。また、「考えてはみたけど、やはり今までの態度や行動は変えられない。」そう感じた場合はそれでも良いと思います。必ずしも理由を解決することが大切なのではなくて、事実を受け入れ、そういう自分とバランスよく付き合っていくことが大切なのです。ヨガスートラの教えの中に、自分の真実を知ることの大切さ(ヴァイラーギャ)が唱えられています。事実として起きていることをまずは知り、それを受け入れることによって、次のステップへと進んでいけるのかもしれませんね。

ヨガスートラ

ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

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