6月に入ると一斉に咲き出す花「紫陽花(あじさい)」。梅雨時期の風物詩として、雨の似合う花ですよね。庭先に植えている人も多いでしょう。今回はアジサイの楽しみ方~摘んだ後のケア方法を、専門家がお伝えします。
はぎわらりえこ
こんにちは、フラワーデザイナーでフォトスタイリストのはぎわらりえこです。
初夏を彩る花として「アジサイ」は欠かせない花ですが、皆さんは「アジサイ」と聞いて、どんな花を連想しますか?
今日はまずアジサイについて、以外と知られていなかったキホンをおさらいしていきましょう。
アジサイってこんな花!
「アジサイ」は、ユキノシタ科アジサイ属の植物で、別名を「七変化」と言います。英語名では、ハイドランジア(Hydrangea)と表記します。私たちプロが利用する市場では、ハイドランジアという名称で流通しています。
さて、近年その花市場では、外国からの輸入花が大変増えています。今や輸入花のひとつとも言われているアジサイですが、実は日本が原産地なんです。
江戸時代末期、長崎の出島に滞在していたドイツ人の医師・シーボルトが、日本からヨーロッパにアジサイを持ち帰ったそう。そのアジサイをもとに品種改良したものが、現在の「西洋アジサイ」と言われています。
「西洋アジサイ」は、写真のようなピンク色の種類も豊富ですが、ほかにもグリーンなどその花色自体もさまざま。
オランダでさらに品種改良が進み、現在では逆輸入されて、1年中市場で見られます。逆輸入される「西洋アジサイ」の中には、こんな真っ白なアジサイもあります。
6月は日本でも「ジューンブライド」で結婚式が人気の季節。純白のアジサイは、結婚式でブーケや会場を彩る花として人気を集めています。
庭木のアジサイを摘んだ後、どうケアをする?
さて、そんな「西洋アジサイ」に対して、私たちが国内で良く見かける公園や庭木のアジサイ。
ブルーや濃い紫の花色のものに目を奪われませんか? 梅雨時期の雨模様の中、活き活きと咲くアジサイの美しさといったら!
ジメジメとした季節は苦手ですが、憂鬱な気分もこの鮮やかな色のアジサイを見ることで、梅雨の季節を楽めそうです。
次は、庭木のアジサイを摘んで、切り花として室内で楽しみたい時のポイントについてお伝えしましょう。
アジサイを切り花で楽しみたい時の下準備
アジサイは、庭木で摘んでそのまま花瓶に挿しただけでは、すぐにしおれてしまう花。花瓶にすぐに挿したのに、「想像以上に早くぐったりしてしまった!」という嘆きの声をよく聞きます。
アジサイは水が大好き! 1本の枝にたくさんの花がついているので、元気でいるために特に水を多く吸い上げる必要があります。そのために必要なひと手間がコチラ。
葉を適度に取り、アジサイを斜めにカットします。すると、まっすぐ平らに切るよりも断面が広がるので、それだけでも水を吸う面積が大きくなり、花のケアとしてはオススメなのです。
そして、さらに切り込みを入れたら、白いワタのようなものが茎の中に見えます。ひと手間かける花あしらいのケアとして、そのワタを取り除きましょう。ワタを取ることで、アジサイが水を吸いやすくなります。
そのあとはこのように新聞紙で花を包み、深めの水(深水)にしっかりとつけて、花に吸水させましょう。30分から1時間ゆっくり水を吸わせてください。
また、花屋さんで買ったアジサイは、あらかじめこの作業は施されていることが多いです。
家でのケアは深水で飾ると良いですが、さらに「湯揚げ」というプロが施す水揚げのテクニックの1つをするとより長持ちし、飾れる期間も長く楽しめます。
湯揚げの方法
上から花部分を新聞紙で包み、熱湯に20秒ほど、切り口から2cm〜3cm程度の部分をつけてください。そしてすぐに深水につけ、30分~1時間ゆっくりと水を吸わせます。
これで活き活きとした花をお部屋で楽しむことができます。