ストレッチをしても柔らかくならない、ポーズが決まらない……。そんなあなたにおすすめなのが、ヨガの前の「筋トレ」です。筋肉を強くするだけじゃない、新たな筋トレ効果に注目!
ヨガジャーナル日本版編集部
ポーズの悩みは「ヨガ前の筋トレ」で解消できる
「ヨガの前に筋トレをすることは、2つの意味でおすすめです。ひとつは、筋肉が正しく使えるようになること。もうひとつは、柔軟性が高まること。このダブル効果で、アーサナの深まりが確実に変わります」と中村先生。どのポーズでも、力を入れている部分(筋肉)とゆるめている部分(筋肉)があります。この使い分けが正しくできていると、ポーズは安定します。ヨガの先生のポーズが美しいのは、筋肉が正しく使えているからなのです。一方、ヨガ初心者の多くが、どこの筋肉を使ったらいいのかわからず、「できない・伸びない」状態に陥っています。ヨガの前の筋トレで、使いたい筋肉にスイッチを入れておくと、ポーズ中も「この筋肉を使っている」とはっきりわかるようになり、形だけのポーズにならずにすみます。ヨガ前筋トレのもうひとつの利点「柔軟性が高まる」は、相反性神経支配(一方の筋肉を収縮すると、その反対側の筋肉がゆるむ)を利用しています。筋トレで筋肉を収縮すると、反対側の筋肉が自然にゆるんでくるので、筋トレだけで筋肉を柔軟にできるのです。筋肉の使う場所がわかるうえ、柔軟性まで引き出せる「ヨガ前筋トレ」。さっそく体感を!
前屈を深めるヨガ前筋トレ:大腿四頭筋&腸腰筋を刺激しよう
骨盤から頭頂を引き上げて太腿と腸腰筋を鍛える
ハムストリングが硬くて前屈ができない場合は、相反性神経支配を利用してハムストリングをゆるめましょう。ハムストリングの拮抗筋は大腿四頭筋と腸腰筋。この2つを刺激するダンダーサナで腿裏をゆるませます。
HOW TO
1.長座になり、両手はお尻の横で手のひらを床につける。手で床を押して骨盤を真っすぐ立てる。骨盤が起きない人は、膝を曲げて軽減を。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
2.両手を頭の上で組み遠くへ伸ばす。大腿四頭筋と鼠蹊部に力を入れ、尾骨と頭頂を引き離す。10秒キープ。
POINT:目線は斜め上へ。下げると上体が伸びず、腸腰筋が働きにくい。
ダンダーサナ/Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
NG
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
TRAINING ターゲット:腸腰筋 強度:★ ★
きれいなV字をキープして鼠蹊部を引き込む力を養う
体を折りたたむ前屈ポーズでは、鼠蹊部を引き込む腸腰筋の力が必要です。脚と上体でV字をつくり、脚の重さを負荷にして腸腰筋を鍛えましょう。腸腰筋の活性化には、骨盤を立てて頭頂を引き上げておくことが大切です。
HOW TO
1.膝を曲げて座り、上体を後ろに倒して両手で支える。両膝をつけたまま片脚だけ膝を伸ばす。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
2.もう片方の脚も伸ばして両足を揃える。鼠蹊部を引き込み脚と上体でV字をつくり、10秒キープ。
座位の足上げ/Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
POINT:鼠径部を引き込む力が弱いと、足を上げたときに背中が丸まる。
NG
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)
できる人は…
両手を前方へ移動し強度アップ。腸腰筋の力でV字をキープ。
Photo by Nobuhiro Miyoshi (RELATION)