「なすは栄養がない」とよく言われていますが、そんなことはありません。どんな栄養成分が含まれているのか、どのように調理をすれば効率よく栄養成分が摂れるのかを知っておくと、なすの楽しみ方の幅が広がります。なすの栄養やおすすめレシピなどを管理栄養士が詳しくご紹介します。
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なすの栄養成分とその働き
なすの約90%は水分ですが、残りの約10%は栄養成分です。(※1)その栄養成分と働きをみていきましょう。
ナスニン
ポリフェノールであるアントシアニンの一種。なすの鮮やかな紫色の皮に含まれています。抗酸化作用があり、活性酸素の発生やその働きを抑制したり活性酸素そのものを取り除く性質があると言われています。(※2)
カリウム
人体に必要なミネラルの一種で、細胞内液の浸透圧を調整して一定に保つ働きがあると言われています。ナトリウムを排出する作用もあるので塩分の取りすぎを調節する上でもとても重要な栄養素です。(※3)
栄養成分が摂れるなすの調理ポイント
皮ごと調理する
なすの皮にはナスニンが含まれているので、皮ごと調理して食べることによってポリフェノールを摂取できます。(※4)皮は少しかたいので皮ごと食べる際には、焼いたり、揚げたりと、調理方法にひと手間加えるといいでしょう。
焼く
フライパンで焼いたり、オーブンで焼いたりして調理するといいでしょう。揚げる調理法よりもカロリーを抑えられるうえに、水溶性のカリウムも失わずに食べられますよ。(※5)
おいしいなすの見分け方と上手な保存方法
おいしいなすの見分け方
下記は、新鮮ななすの特徴です。スーパーで購入される際に参考にしてみてくださいね。(※6)
・水々しい
・ツヤと張りがある
・綺麗な紫色である
・棘が立っている
・切り口が新しい
・キズがない
冷蔵保存の方法
10℃前後の野菜室に入れるか、日陰の涼しい場所で常温保存しましょう。野菜室に入れる際には新聞紙で包んでポリ袋に入れるのがいいでしょう。もともと熱帯地域であるインドが原産地なので低温が苦手。5℃以下で保存すると低温障害を起こしてしまいます。(※7)
冷凍保存の方法
焼きなすや揚げなすにしてから冷凍するのがベター。生のまま冷凍できなくもないですが味落ちや風味落ちが著しいため、あまりおすすめできません。もし生で冷凍する場合は、煮物料理や煮込み料理に利用するのがいいでしょう。
焼いたり揚げたりしてから冷凍したものは自然解凍や電子レンジで解凍しましょう。生のまま冷凍したものを解凍する際は、冷凍庫から取り出してそのまま調理に使って大丈夫です。
管理栄養士おすすめ!なすを使った厳選レシピ5選
1. レンジで秒速ズボラ飯!簡単なす味噌鶏そぼろ丼
15分ほどでできる時短メニュー。皮ごと調理しているのでナスニンも取れますね。カラダを冷やすと言われているなすですが、カラダを温めると言われている生姜を合わせることで相性のいいレシピに仕上がっています。(※8、9)
2. だし汁であっさり!じゅわっと香ばしなすとアスパラの焼きびたし
和食のおかず、お酒のおつまみなどいろんなシーンで活用できるひと品。味付けはあっさりした和風です。少しアクセントがほしい際は、唐辛子を入れてピリッとさせるのもいいですね。またなすを素揚げにすると色鮮やかに仕上がりますよ。