「くらっとする」「疲れがとれない」など、その体の不調はもしかしたら貧血によるものかもしれません。特に月経のある女性は貧血に悩んでいる人が多いのではないでしょうか?「貧血予防に鉄分!」と意識している人も多いと思いますが、本当にそれだけで良いのでしょうか?今回は貧血を防ぐ栄養素についてお伝えします。
貧血とは?
体が酸欠状態になること
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが減少してしまった状態のことです。ヘモグロビンは肺から全身に酸素を運搬する働きをしています。ヘモグロビンが全身に酸素を運ぶことで、活動のためのエネルギーが産生されます。
しかし、貧血になるとヘモグロビンが減少し体が酸欠状態になり、動機やめまい・息切れ・倦怠感・食欲不振といった症状が現れます。また、貧血と言っても原因によってたくさんの種類があります。
鉄欠乏性貧血
ヘモグロビンは鉄分によって作られますので、鉄分が不足するとヘモグロビンの作られる量が少なくなります。つまり、ヘモグロビンの材料である鉄分が不足することによって起こる貧血を鉄欠乏性貧血といい、貧血のほとんどが鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血は日常の食事からの鉄分不足の他に過度なダイエットによる偏食や、女性の場合は月経による鉄の損失、妊娠・授乳により鉄の必要量の増加などが原因で起こります。
悪性貧血(巨赤芽性貧血)
赤血球の生成に関わるビタミンB12や葉酸が不足することで起こる貧血です。ビタミンB12は植物性食品にはほとんど含まれていませんので、極端な菜食主義者に起こりやすいと言われています。また、胃を切除した方に多く見られる貧血です。
再生不良性貧血
血液を作る骨髄に異常が起きることで、赤血球が産生できなくなることで起こる貧血です。
溶血性貧血
赤血球が通常よりも早く壊されることで起きる貧血です。激しい運動をするアスリートによく見られます。
貧血予防には鉄分
月経ありの女性は男性よりも鉄分の推奨量が多い
日本人の食事摂取基準(2015)によると、鉄分の1日の推奨量は成人男性で7.0~7.5mg、成人女性では月経ありだと10.5mg・月経なしだと6.0〜6.5mgです。また、妊娠中や授乳中ではさらに推奨量に加え2.5〜15.0mg多く摂る必要があります。
ほとんどの女性が鉄分不足!
平成29年「国民健康・栄養調査」によると男女の鉄の平均摂取量は7.5mgです。しかし女性だけの摂取量を見ると平均7.2mgと少ないです。特に20〜40代の月経のある女性の鉄の摂取量不足が顕著です。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類がある
鉄には動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があります。動物性食品に含まれるヘム鉄のほうが非ヘム鉄よりも吸収率が高く、体への吸収率は非ヘム鉄に比べ5〜6倍高くなります。
ヘム鉄が多い食品はこれ
レバー
鉄分が豊富なので有名なレバー。レバーと言っても牛レバー・豚レバー・鶏レバーがあり、それぞれ鉄分の量が異なります。
・牛レバー(1食100g当たり) 鉄分4.0mg
・豚レバー(1食100g当たり) 鉄分13.0mg
・鶏レバー(1食100g当たり) 鉄分9.0mg
牛・豚・鶏の中では豚レバーが一番多く鉄分が含まれています。
あさり水煮缶
大さじ1杯(10g)当たり、鉄分3.0mg。生のあさりにも鉄分が多く含まれていますが、水煮缶だと下処理の手間が省けるので、味噌汁やお浸しなどに簡単に鉄分を追加できておすすめです。