あなたはこれまで人間関係で衝突してしまったという経験はありませんか?ちょっとしたきっかけから、恋人や友人と喧嘩したり、上司や同僚とうまくやれなくなってしまったり、はたまた、電車やお店などで偶然出くわした人との間にもいさかいが生じてしまったりなど、自分や他者の怒りのエネルギーによって、人間関係が不幸になってしまうことがありますよね。ここでは、そんな人との関わり方で苦しむあなたの心をスッキリとさせ、良好な人間関係を保つために実践できる、たった1分の瞑想方法を紹介します。
君嶋瑠里
まずは、なぜ衝突してしまうのか考えてみよう。
人間関係が悪化してしまう。その要因とはいったい何でしょうか?
もしもあなたが、相手に対して「○○すべき」や、「△△して当たり前」などと考えてしまっていたとしたら、対人関係でのトラブルに発展しやすくなります。相手が自分に対してこうしてくれるはずと勝手に思い込み、その通りにならないと不平不満を言ったりする。それを受けた相手はストレスを感じ、相手から避けられたり、反発されたりという結果に。
「べき」思考をやめよう!
相手を変えようとするのではなく、自分の考え方を変えることこそ、人間関係を良好に保つためには欠かせません。相手に期待するのをやめ、ちょっとしたことでも、してくれたことにはきちんと感謝しましょう。
逆に、相手も同じように「べき」の思考の持ち主だった場合は、その人の意見に振り回されないよう、関わり方を自分の中で変え、あまり深入りはしないように。売り言葉に買い言葉とならないよう、相手の意見を客観的にとらえることができれば、トラブルに発展するのを未然に防げます。
とはいえ、なかなか思考の切り替えをするのは簡単ではありません。不快な気持ちを抑えこむだけだと、それがかえってストレスを増大させる原因に。では、どうすれば心穏やかに思考の切り替えができるようになるでしょうか?
毎日たったの1分間。ラベリング瞑想で、自分の心を客観的に見る練習を。
瞑想は、雑念で疲れてしまった脳に休息を与えるための実践法です。そして、一般的にラベリング瞑想と呼ばれるヴィパッサナー瞑想は、今頭の中に浮かんでくる思考を一つの言葉としてラベリングすることで、ふっとわき上がる思考や雑念を受け流します。座った状態でも、電車の中で立った状態でも、どこにいても行えます。毎日たったの1分間だけ、瞑想するための時間をつくりましょう。
やり方はとっても簡単。例えば、頭の中に自分を叱ってきた上司の顔が浮かんで離れないとします。それに対して不満に思うわけでもなく、感情を抑えこもうとするわけでもなく、ただ「上司、怒る」と言葉に置き換えてラベリングし、心の中で繰り返しその言葉を言ってみます。その最中に突然足が疲れたと感じたら、「足、疲れる」とまた言葉にして唱え、再び「上司、怒る」に戻ります。要は、その時にふっと浮かんでくる思考をラベリングして心の中で唱えていくのです。そうすることによって、今の自分自身の思考を客観的に見つめていく練習になります。
瞑想の実践は人間関係を良くしてくれる!
自分自身の思考に気づき、客観的に見つめられるようになれば、日常生活の中での対人関係でも思考にとらわれて、つい感情的になるのを防ぐことができます。瞑想は、ありのままの自分を保ち、心穏やかに人生を送るための練習なのです。
今日からたった1分間だけ、あなたも瞑想してみてはいかがでしょうか?
ライター/君嶋瑠里
2017年、会社員の仕事で心身共に疲弊していた頃、インストラクターの友人の紹介がきっかけで知った綿本彰氏のスタジオを訪れ、師事する。パワーヨガ、ラージャヨガ、その他様々な瞑想法を学び、2018年、同氏の指導者養成講座を修了し、ヨガインストラクターに。日常に活かせるヨガをテーマに実践中。2018年、日本ヨーガ瞑想協会講師登録。2019年、全米ヨガアライアンスRYT200取得。