こんにちは、ヨムーノ編集部です。
本当に正しい食事法は「食べない時間(空腹の時間)を増やす」というルールをご存知でしょうか?
この食事法なら、炭水化物も、脂肪も、甘い物も、お酒も、ガマンせず好きなだけ食べられるからストレスなく健康になれます。
ここでは、ノーベル賞を受賞したオートファジー研究から生まれた、青木 厚さん著書「「空腹」こそ最強のクスリ」(出版社:アスコム)の中から一部を抜粋・編集してご紹介します。
「一日3食とるのが体にいい」は、間違いだった
一日3食とると、体は日々弱っていく
初めに、お尋ねします。
みなさんは一日に何回、食事をとっていますか?
あるいは、一日何食とるのが、健康にいいと考えていますか?
おそらく、多くの方が、「自分は昔から、一日3回、規則正しく食事をとっている」「一日3食が、健康の基本だと思っている」とお答えになるのではないでしょうか。
実際、NHKが2016年に実施した「食生活に関する世論調査」によると、「平日の1日に平均何食とるか」という質問に対し、「3食」と答えた人がもっとも多く、81%を占めていました。
年齢別にみると、16~29歳では一日平均3食とる人が男女ともに70%程度にとどまっているのに対し、60代は85%以上、70歳以上になると90%を超えており、高齢層ほど「一日3食」を守っている人が多いことがわかります。
「一日3食」という習慣は、私たちの生活に、これほどまでに深く浸透しているわけですが、ここで私はあえて、声を大にしてお伝えします。
「一日3食が理想的である」という考え方には、確固たる裏付けはありません。
それどころか、一日3回食事をとると、あとで詳しくお話しするように、
・胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう。
・体内で炎症が起きやすい。
・「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい。
・高血糖になりやすい
・老化が進みやすい。
など、体や健康にさまざまなダメージを与えることになるのです。
一日3食は、胃腸を疲れさせ、体の不調を招く
「一日3回の食事」が体に与えるダメージについて、もう少し詳しくみていきましょう。
一日3食の弊害として、最初に挙げられるのは、「胃腸をはじめ、内臓が休む時間がない」ということです。
人体において、食べものが胃の中に滞在する時間(消化されるまでの時間)は平均2~3時間、脂肪分の多いものだと、4~5時間程度であるといわれています。
また小腸は、胃から送られてきた消化物を5~8時間かけて分解して、水分と栄養分の8割を吸収し、大腸は、小腸で吸収されなかった水分を15~20時間かけて吸収します。
ところが、一日3度食事をすると、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食までの間隔は6~7時間程度となり、前の食事で食べたものが、まだ胃や小腸に残っている間に、次の食べものが運ばれてきてしまいます。
すると胃腸は休む間もなく、常に消化活動をしなければならなくなり、どんどん疲弊していきます。
しかも、年齢を重ねるにしたがって、消化液の分泌が悪くなり、胃腸の働きも鈍くなります。
すると、ますます消化に時間がかかるようになり、胃腸も疲れやすくなります。
アメリカの最新研究が証明。「空腹」こそが長寿と健康のカギだった
アメリカの研究で明らかになった、「空腹」の効果
食べすぎによる害から体を守り、健康や若さを維持する、シンプルな方法。
それは、「ものを食べない時間(空腹の状態)を作ること」です。
近年、アメリカの医学界では、空腹(断食)と健康に関する研究がさかんに進められ、数多くの論文が発表されています。
以前から、「カロリー摂取を控えることが、さまざまな病気を遠ざけ、長生きにつながる」ことはわかっていましたが、これらの論文には、断食をすることが体重や体脂肪の減少につながること、そして、「糖尿病」「悪性腫瘍(がん)」「心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)」「神経変性疾患(アルツハイマー型認知症やパーキンソン病など)」などの予防に効果的であることが述べられているのです。