食事をするとき、その器が素敵だとおいしさも倍増するような…とってもしあわせな気持ちになりませんか。目でみてたのしめる、味わってたのしめる、そんな豊かな「いただきます」の時間を堪能できるお店をご紹介します。第10回目は、人気の奥渋谷エリアにあるカフェ「Meals」にお邪魔してきました。
器屋さんのカフェ
代々木公園駅から徒歩6分。人気の“奥渋”こと奥渋谷エリアにあるカフェ「Meals」が今回の目的地。NYのアパルトマンのような雰囲気を持つ建物の2Fにあります。
足を歩み進めていくたびに心が踊る、おしゃれな内装。
2Fへと続く階段をのぼると、真っ白の扉が。
その扉を開けると、あたたかな空気感が流れる広々とした空間が広がっていました。
「Mealsは、愛知で食器のデザイン・企画をしている『マルミツポテリ』の直営店舗なんです。わたしたちは、器を販売するだけでなく、器を通していかに食事の時間をたのしむか、ということを考え、提案し続けているんですよ」。話してくださったのは、スタッフ内田久美子さん。
本社のある愛知県瀬戸市は「瀬戸物」の語源でもある瀬戸焼の産地。Mealsでは、瀬戸焼をはじめとする、丁寧に窯焼きで制作されたマルミツポテリのオリジナルブランド「STUDIO M’」「SOBOKAI」の器で、家庭料理をいただくことができます。
「この建物自体が“食をたのしむ”ということをテーマにつくられているんです。1Fはマルミツポテリの食器を扱う『Dishes』、2Fはその器で食事をたのしめる『Meals』、3Fは料理教室などを開催する『富ヶ谷食事研究所』として、それぞれが連携をしながら営業しています」。
1Fの「DISHES」には、常時1,000点以上の器がずらり。シーン別やカラー別など、さまざまなカテゴリーでディスプレイされているので、テーブルコーディネートのヒントもつかめそう。
3Fの「富ヶ谷食事研究所」では、予約制の料理教室やフードコーディネートの講座などを開催。
1Fから3Fまでを総称してつけられた名前は「MEALS ARE DELIGHTFUL」。“食器によって、食事をたのしくしたい”という強い想いが込められています。
家庭料理に新発見を
Mealsのコンセプトは“一汁三菜をベースとした家庭料理を提供する”こと。「家庭料理のように身近な食材を使いながらも、新しさのあるメニューを日々、考案しています。意外な組み合わせやひと手間のかけ方など、ここに訪れることで出会えるおどろきや発見をみなさんにたのしんでいただきたいんです」。
食材は季節を先取りせず、旬のものを使用。それは、いま美味しい料理をいま食べてもらうために、さらに家庭でもつくってもらえるように、という想いから。
カフェメニュー表の味わいのあるイラストは本社スタッフの手によるもの。「直接的な写真を載せる以上に、どんな料理なんだろう、どんな質感なんだろう、どんな香りなんだろう、と想像力が湧きませんか?」と内田さん。
調理の音が聞こえてきたり、スパイスの香がただよってきたりと、ライブ感が心地いいオープンキッチン。「美味しかったよ」「調味料は何を使っているの?」など、お客さんとの会話が弾むことも。
インテリアのほとんどは、社長がひとつひとつ集めてきたもの。古いものと新しいもの、その両方をうまく取り合わせたNY街の雰囲気をイメージしているそう。
ウッドデッキのような床板には、窯屋さんが素焼きの器を運ぶときに使う「もろ板」を利用していると言います。「もともと泥だらけだったものをスタッフが磨き、床として使用しているんです。これも器屋ならではのストーリーですよね。よく見るとところどころに屋号の判が押してあるので、訪れた際にはぜひ、探してみてくださいね」。