(4)「好きな子いるの?」
これも(3)と同義のバリエーションです。
違うものに感じるかもしれません。しかし「俺のことを好きなの……?」と匂わせる狙いは同じです。やはり「好きだ」と明言しないのがポイントです。
このせりふは、よく考えると「好きな子がいるか」を聞いているだけですよね。「わたしはあなたを好きです」とは言葉にしていません。
だからこそペースを握ることができるのです。
いわば「言葉にしないことで言葉にされていないものを暗示する(匂わせる)」のですね。かなりの上級テクニックだといえます。
ストレートに語るだけが口説きではない。むしろ、あえて語らないほうが、毒のようにジワジワ心に残る――こういう手法があると知るだけでもコミュニケーションの幅が広がるかと思います。
(5)方言
これもランクイン(ランキング順に掲載しているわけでありませんが)させるしかないでしょう。
どこの方言が、という話でありません。耳慣れない――けれどもしっかり文化に根づいた――話し言葉にグッとくるわけです。良い意味での違和感があるのですね。
とはいえ、あえて地方の言葉を使えばいいというわけでありません。あくまで「うっかり口から出てしまった方言」に男心が撃ち抜かれるということは肝に銘じておいてくださいませ。あざとすぎるのはいけません。
少なくとも「うっかり口をついたふうの方言」を演出したほうがいいでしょう。さらなるポイントアップを見込めます。
(6)「やっぱ男の子だね」
案外、キラーワードです。
男性はいくつになっても5歳の少年であります。
真っ昼間から焼酎を飲みながら競馬新聞に赤ペンを引いていようが、アルマーニのスーツを着てポルシェに乗っていてようが、それは変わりません。その事実を知っている女性こそがモテるのです。
どういうことか?
母性っぽさを演出して、男を少年扱いしてあげると喜ぶということです。その象徴(代表例)が「やっぱ男の子だね」なのです。
謎に寂しそうにしていたり、趣味に没頭していたり、遊び心を発見したときに、黄金銃のように放ってやりましょう。
心を見透かされた気がして、男性はキュン(ドキッ)とするはずです。ちょっと冷静そうに言うのがコツですよ。
(7)「おいで」
上のバリエーションです。
これは母親から何度も聞かされてきたせりふのはずです。少なくとも対象を、子ども扱いするときの言葉ですよね。
それが心の中に少年時代のトリガーとして残っているのです。それを利用するのです。つまり「おいで」と言われると、ちょっとピュアな心に戻るのですね。
女性だって「おいで」と言われると謎にうれしくなりますよね。まったく同じことです。
部屋にいるときや、居酒屋の席を決めるとき、外にいるときでも使えます。真顔でもいいですし、ちょっとニヤニヤしながら発言しても、なかなかのモテる女を演出できると思います。