無意識のうちに誤った日本語で話し、その間違いに気づいていない人も多いもの。大人女子ならば日頃から正しい言葉を使えるように心がけましょう。
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正しい日本語が身につけば女性としての品格も上がる
「最近は自然な敬語を話せる人が少ない印象です」というのは、国語講師の吉田裕子先生。
「当たり前ですが、日頃からフランクな言葉で会話していると、いざという時に正しい敬語が出てこない。『おっしゃられる』などと二重敬語を使ったり、仕事の依頼メールで、ネットで調べたであろう格調高い大げさな敬語を使ったりと、自然に使えない人が増えてきています」
敬語の間違いだけでなく、大人として品格を下げるような言葉遣いも避けたいもの。
「大人なら、『やばみ』『つらみ』などの若者言葉は避けるようにしましょう。『ワロタ』などのネットスラングも下品です。また『タピる』などの流行語を取り入れるのもやや痛々しく感じます。特に職場では正しい日本語をきちんと使う方が、周囲とも差別化され、評価も高まるはずです」
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よく聞くバイト敬語は間違った日本語の典型
「バイト敬語とは、コンビニや飲食店などで耳にする、誤った使い方をされている敬語のことです。本人はきちんとした敬語を使っているつもりでも、聞く人が聞けば赤っ恥。意外と無意識のうちに口にしてしまいがちなので、日頃から注意して正しい敬語を使いましょう」
(吉田裕子先生)
×:お名前を頂戴できますか。
◎:お名前を教えていただけますか。
「頂戴する」は「もらう」の謙譲語になるため、「お名前をもらえますか」の意味となり、正しい使い方ではない。ここでは、「教えていただけますか」「伺えますか」「お聞かせいただけますか」と尋ねるのがベター。
×:千円からお預かりします。
◎:千円お預かりします。
「千円からおつりを返す」という感覚で、言ってしまう理屈はわかるが、これは誤った言葉の使い方。「千円(を)お預かりします」が正しい日本語となる。うっかり「から」をつけないように注意が必要。
×:とんでもございません。
◎:とんでもないことです。
「切ない」などと同様に「とんでもない」がひとつの語。そのため、「とんでもございません」と後半だけ置き換えてしまうと、言葉自体が意味不明になってしまう。正しくは「とんでもないことです」と表現するのがよい。
×:本日はお休みをいただいております。
◎:本日はお休みを取っております。
ビジネスシーンでよく使いがちだが、相手から休みをもらっているわけではないので、「本日はお休みをいただいております」と表現するのは間違い。この場合は「本日はお休みを取っております」と言えば、差し支えない。
×:よろしかったでしょうか。
◎:よろしいでしょうか。
「よろしかった」の「た」は、過去形だが、例は今の話である。「た」には確認の意味もあるが、「よろしかった」と言うことで、押しつけがましいと受け取る人も多いので、シンプルに「よろしいでしょうか」と表現するのがスマートな表現。
×:カードはご利用できません。
◎:カードはご利用になれません。
「ご利用できません」は自分の行動をへりくだって言う謙譲語の可能形。この例の主語は相手であるため、尊敬語の「ご~になる」を使う必要がある。ただ“ご”をつけるのではなくて、「カードはご利用になれません」が正解。
×:スタッフにお伺いください。
◎:スタッフにお聞きください。
「伺う」は「聞く」「訪ねる」の謙譲語のため、「伺いください」と相手に対して使用するのは不可。「聞いてください」を尊敬語として使う場合は「お聞きください」「お尋ねください」と表現するのが正しい敬語の使い方。