「当社」は社内外で用いる
「当社」の「当」は丁寧語に分類され対等の意味があるために、基本的には社内、または利害関係のない人に対して使います。
言い換えれば、相手と自分の会社が対等であるというニュアンスを相手にアピールできる効果を活用して、譲歩できない要求の拒否やこちらからの提案など、毅然とした印象を与える場合にふさわしい表現といえるでしょう。
例文:顧客への交渉時や社内に向けてメッセージを伝える時
・「当社としましては、この条件は受け入れかねます」
・「当社の今期の目標達成には、社員全員の協力が不可欠です」
「自社」は社内で用いる
「当社」よりも丁寧さが下がる表現で、謙譲語の意味はありません。社内の身近な人の会話に使われます。
例文:社内の課内会議で発言する時
・「自社の採用登録サイトのアクセスが、先週は100件を超えました」
「わが社」は役職者が社内で用いる
「当社」「自社」と同じように謙遜の意味はありませんが、自分(=我)が所属しているという意味が強い表現です。
一般的には役職の上の方が社内の人に使う言葉で、若手社員が使うのは不自然とされるため、注意が必要です。
例文:上司から部下に社の特性を説明する時
・「わが社の強みは、開発力の高さにある」
「小社」は社外の人に用いる
「小社」は、自分の勤めている会社をへりくだって表現する言葉で、社外の人に使います。
「小社」は「商社」と聞き間違いやすいので、主に書き言葉として用いられます。
例文:書面で相手に請求書の送付を依頼する時
・「お手数ですが、請求書は小社経理担当○○宛にご送付をお願いいたします」
「私ども」は企業対個人の場合に用いる
「私ども」は、企業対個人の場合の話し言葉として使われます。親近感を与えるとして好んで使う方も多い表現です。
社内の結束が固いようなイメージを与える時にも有効です。
例文:顧客に対して最善を尽くす決意を知らせる時
・「私どもといたしましても、最善を尽くしたいと思っております」