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「やる気が出ない…」の意外な原因とは?臨床心理士が提唱|やる気を出すための簡単な行動

最近「なんだかやる気が出ない」と悩んでいる方はいらっしゃいますか?行動と気分は関連しています。コロナ禍のテレワークなどによって、私たちの活動量は低下しています。行動する機会が減ることで、気分も下がりやすくやる気を出しづらい状況なのです。本日は行動活性化によってやる気を出す方法をご紹介していきます。

行動と気分は関連する

私たちの気分(感情)と行動はお互いに関連しています。気分が変われば行動も変わるし、行動が変われば気分も変わります。やる気が出ない時は行動パターンが変わっているのかもしれません。コロナ禍で活動量が低下した方は多いと思います。特に、もともと外出することが好きだった方、運動することが好きだった方など、活動量の急激な低下を経験している方ほど、気分の変化を実感しているのではないでしょうか。

行動活性化法とは

私たちは気分を簡単に変えることは難しいです。気分は状況などに応じて湧き上がるものだからです。気分を直接変えることはできないからこそ、状況や考え方を変えてみたり、リラクゼーションやストレス解消法など何か行動することで気分を変えています。行動活性化とは、気分の改善につながりそうな行動をあれこれと試してみることです。実際に気分が変化するかは、実践してみないと分かりません。自分にとって有効な行動を見つけることは、ストレス対処にもつながります。

行動活性化のポイント

1.気分が良い行動を増やす

まずは、楽しい、嬉しい、心地よい気分と関連した行動や、やった後に達成感がある行動を増やしていきましょう。決して、大きな喜びを求めるのではなく、小さなもので大丈夫です。活動候補はたくさんあるほど良いので、質より量を意識してたくさん考えてみましょう。例えば、オンラインショッピングをする、お菓子を作る、空を眺める、夜風にあたる、家でヨガをするなどです。

気分が良い行動には、短期的には少ししんどくても長期的に元気になるものも含まれます。例えば、部屋の片づけをする時は、少しめんどくさいかもしれません。筋トレをしている時は多少のしんどさを感じるかもしれません。しかし、終わった後は達成感や爽快感を感じると思います。その瞬間の気分の改善だけではなく、少し長い目で見て、どのような気分の変化があるのか考えてみましょう。

2.辛い気分と関連した行動を減らす

辛い気分、うつ気分と関連している行動を減らしていきましょう。これには、短期的には気分を改善しているかのように見えて長期的には気分を低下させている行動が含まれます。例えば、部屋でダラダラするのは楽かもしれません。しかし、1日ダラダラ過ごした終わりにとても後悔してしまうのなら、辛い気分と関連した行動になるでしょう。

行動が見つからない時の対処法

気分を改善する行動が見つからない時は、以下を参考にしてください。

*これまでやったことがあるもの

*以前やっていて最近やらなくなってしまったもの

*今までにやったことがないもの

*いつかやってみたかったもの

たとえば、昔好きだった漫画を読む、以前やめてしまったギターを弾く、しばらく会っていない友人にメールしてみる、いつかやろうと思っていたブログを始めてみるなどです。何か思い浮かんだものはあったでしょうか?やる気とつながっているもの、気分を上げてくれる行動は見つかりましたか?

今回考えたものをリスト化し、実践してみましょう。その際に、実現可能なもの、すぐ身近にできそうなことを選びましょう。もしハードルが高いものでしたら、小さく分けてみることでやりやすくなります。例えば、ギターをうまく弾きこなすことが大きな目標なら、「コードがうまく抑えられるようになる」、「1曲弾けるようになる」など小分けにしてみます。どの行動がどのくらい気分を改善するかは実行してみないと分かりません。「実験」してみるつもりで、どのくらい気分が変化するか確かめ、気分を改善する行動のレパートリーを増やしていきましょう。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

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