「腸活」という言葉をよく耳にするようになりました。「腸」は「第二の脳」ともいわれ、私たちの身体の中でもとても大切な臓器です。「腸が大切なのはなんとなくわかるけど、うまく理解できていないかも…」そんな方のために、マクロビオティック歴15年で腸セラピストの ≪素果子|sugashi≫ 店主、半田葉子さんが「腸のいろは」を分かりやすく解説。
「腸」の役割は正直一言では言い表すことができないくらい、私たちにとって大切な臓器です。腸環境を整えると私たちの心身の悩みの大半がなくなるのではないかと思うくらい、人生が豊かなものになっていきます。少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、それくらい「腸」にはたくさんの作用があります。
≪ こんな心身の悩みはありませんか≫
イラストAC
悩み【痩せにくい】
→腸内細菌のバランスが崩れているかも?
腸内には細菌が100兆個~1,000兆個ともいわれています。その菌の中には通称「痩せ菌」と呼ばれる「バクテロイデス門細菌群」と通称「デブ菌」と呼ばれる「フィルミクテス門細菌群」という菌があり、体内に取り込まれる食品添加物や高脂肪食、糖質の多い食事や食物繊維不足などが原因で腸内細菌のバランスが崩れている恐れがあります。
悩み【肌荒れ】/【おならが臭い・口臭がする】
→腸内の悪玉菌が増えているのかも?
動物性たんぱく質や脂質の多い食事、人工甘味料などは消化吸収に時間がかかり、悪玉菌を増やす原因にもなります。この悪玉菌は、たんぱく質を分解して便やおならの悪臭のもととなる腐敗物質をつくりますが、この腐敗物質は腸壁から体の中に吸収されて血液を介して全身をめぐり、汗や皮脂と一緒に腐敗物質も皮膚から体外へ出ていきます。悪玉菌が増えると腐敗物質による臭いも強くなりますし、皮膚から体外へ出る際に腐敗物質が肌の刺激となって肌荒れが起こると言われています。
悩み【疲れやすい/体調不良になりやすい】
→腸内環境が悪く、免疫細胞が少なくなっている?
腸内には免疫力を上げるための「免疫細胞」の6~7割が存在します。腸内環境が悪いと免疫細胞が活性化せず体調を崩す原因や風邪をひきやすい身体になります。
悩み【冷え性】
→体を冷やす食生活で体の巡りが悪くなっているのかも?
冷たい物や身体を冷やすタイプの脂や糖の過剰摂取により、腸が内外から冷やされると、身体のめぐりが悪くなります。また便秘や食べすぎにより腸が張り、腸付近の内臓やリンパが圧迫されている場合も冷え性の原因につながります。
悩み【生理痛】
→腸内環境とホルモンのバランスが乱れている?
女性の身体は生理(月経)直前から前半まで、プロスタグランジンというホルモンが急に増えます。このホルモンが過剰に分泌されると子宮が収縮され、生理痛を引き起こすと言われています。そしてこのホルモンと腸内環境と関連している可能性があると言われています。腸内環境を整えることで女性ホルモンのバランスが整い、生理前のあらゆる不調を解決してくれる可能性があります。
悩み【むくみ】
→腸の冷えや張りにより腹部周辺のリンパの流れが滞っている?
冷え性同様、腸の冷えや張りにより腹部周辺のリンパの流れが滞ってしまっている可能性があります。リンパは全身にめぐっているため、全身のむくみに繋がります。
悩み【いつもイライラする/憂鬱な気分になりがち】
→腸内で生成される「セロトニン」が不足しているかも?
「≪心の安定・幸せホルモン「セロトニン」を簡単に増やす2つの習慣【心に効く!美腸レシピ付】≫」という記事でも解説していますが、実は腸は「幸せホルモン(セロトニン)」という心の安定に繋がる物質の8~9割を作り出している臓器。腸内環境が悪いと脳も幸せを感じることが少なくなります。
悩み【眠りが浅い】
→腸内で生成される「メラトニン」が不足しているかも?
「幸せホルモン(セロトニン)」は夜になると「メラトニン」という眠りを促す物質に変化します。腸内で「セロトニン」の生成が少ないと「メラトニン」も少なくなり、眠りの質に影響が出てくる場合もあります。