国民病とも言える「肩こり」…その原因は、長時間同じ姿勢でいることや冷え、ホルモンの影響、ストレス、運動不足などさまざま。改善する方法は、肩や首回りの筋肉を積極的に動かすこと。理学療法士でヨガインストラクターの堀川ゆきさんに、タオルを取り入れた3分エクササイズを8種類ご紹介いただきます。
女性の悩み第1位 肩こり!
多くの人が悩む肩こり。厚生労働省の国民生活基礎調査(2015年度)における有訴者率では、肩こりは男性の2位、女性の1位を占める症状です。ちなみに男性の1位、女性の2位は共に腰痛です。
肩こりの原因は、姿勢不良や、たとえ良い姿勢を保っていてもデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることも原因となります。他には冷え、ホルモンの影響、ストレス、運動不足などいろいろありますが、主に僧帽筋の上部線維の筋肉を中心に、肩や首回りの筋肉を積極的に動かすことが肩こりの解決につながります。筋肉を動かすことで、筋肉の柔軟性や筋温が上がり、発痛物質や疲労物質も除去されると考えられています。
肩こりのエクササイズは以前こちらのコラム、
の2つでも紹介しました。今回はタオルを使って肩こりを解消するメニューを紹介したいと思います。
肩こりエクササイズのポイント
まず肩こりを解消するためにエクササイズのポイントは、
・背骨を動かすこと
・肩関節を動かすこと
・肩甲骨を動かすこと
この3つをエクササイズに取り入れることが重要です。
背骨を動かすこと
背骨は私達の身体で最も重要な大黒柱となるところです。大黒柱である背骨の不調は当然肩こりへと波及します。背骨は常に重力に負けないよう長く伸ばし、かつしなやかに分節的に動くことが理想です。ピラティスでいう、エロンゲーションとアーティキュレーションです。詳しくはこちらのコラム
を参照してくださいね。
肩関節を動かすこと
肩関節(具体的には肩甲上腕関節のこと)を動かしましょう。肩関節には8方向の動きがあることを知っていますか?タオルを利用してさまざまな方向に積極的に動かしてみましょう。
肩甲骨を動かすこと
肩甲骨(具体的には肩甲胸郭関節のこと)を動かしましょう。肩の土台となる肩甲骨、肩甲骨自体は6方向または8方向の動きがあります。肩甲骨もタオルを使って大きく動かせるようなエクササイズを紹介します。
タオルの使い方
エクササイズでタオルを用いることで、肩回りを動かす際の軌道が安定するので、関節や筋肉に負担のかかってしまう可動域まで腕を動かしてしまうリスクを下げることができます。
ただし、反動をつけて勢いよく動かすと痛みや怪我の可能性が出てくるので、ゆっくり無理のない範囲で動かしましょう。
タオルは写真のサイズの一般的なフェイスタオルを使用します。
Photo by Yuki Horikawa
タオルの端と端を握って使用しますが、タオルは長い方が比較的エクササイズは簡単になります。写真のようにタオルを斜めに持つとタオルが長くなる上、タオル生地が伸びる性質を生かせます。エクササイズや自分の状態に合わせて斜めに持ってみて下さい。
Photo by Yuki Horikawa
肩こり解消タオル3分エクササイズ
ではエクササイズを8種類紹介します。ラジオ体操のような感覚で、リズミカルに伸び伸びと動かしてください。タオルは常にピンと張ったままで緩まないようにします。