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今週のみずがめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

“弱き存在”としての自覚

今週のみずがめ座は、「人間的な規格」という前提を外したところで、偶然性や無駄のもたらす可能性を見出していこうとするような星回り。

私たちは、社会の行く末を考えるにも、人生の未来を計画するにも、ついつい「人間的な規格」という前提に基づいて考えてしまう傾向がありますが、現在のようなコロナ禍はそうした発想そのものの機能不全をもたらしているように思います。その点、『ひび割れた日常』というリレーエッセイ集に寄稿された伊藤亜紗の「植物の時間」というエッセイの中に、次のような印象的なくだりがありました。

「先日、同僚の植物学者がしみじみ語っていた言葉に衝撃を受けた。『植物には、なぜそんなことをしているのか分からないことがいっぱいある』。要するに、人間の目からすれば無駄にしか見えないことが、植物にはいっぱいあるのだ。(中略)植物は自分で環境を選べないから、変化に対応できるように可能性をたくさん用意している、ということなのだろうか。いや、それもたぶん人間の目から見た見方だ、とその同僚は諫める。人間はつい、あらゆることに合理的な意味があると考えてしまう。でも、たぶん自然はそんな風にはできていない。」

あなたもまた、ごく身近な未知としての植物や身体にこそ、豊かさのヒントを見出してみるといいでしょう。

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今週のうお座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

豊かさを招くために

今週のうお座は、異なる豊かさを天秤にかけていくような星回り。

俳句の世界では、「雷」は夏の季語で、「稲妻」は秋の季語。前者が積乱雲の恐るべき放電現象を連想させるのに対し、後者はどこか遠く空で走るかすかな光のラインやその音連れと結びついているのです。長らく続いた農耕社会では、稲の花はこの「稲妻」によって受精し、米を稔らせることができると考えられ、「稲妻」は大切にすべきありがたい自然現象と捉えられていました。

「稲妻のゆたかなる夜も寝(ぬ)べきころ」(中村汀女)の「稲妻のゆたかなる夜」という言い方は、稲妻がたくさん閃いている夜を愉しんでいるのであり、家の中で遠くに感じつつも、睡眠時間を惜しんでさえ慈しむべきものとして向き合っているのでしょう。

一方で、明日の生活を全うするためにも「眠らなければならない」という思いがあり、遠くの未来の豊かさと、直近の明日の安らかさとのあいだで天秤にかけているのだとも言えます。そこには切迫した心細さとは対極の、作者独特のおおらかな柔らかさの感得があるのでは。あなたも、そうした無理のないエロティシズムに自分を浸していきたいところです。

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