生理中のイライラや腹痛、脚のむくみ……etc、女性ならではの不調を癒すツボマッサージとヨガを、東洋医学を取れ入れて指導しているヨガ講師の仁平美香先生に教えてもらいました。症状に合わせてセルフケアし、毎月のルーティンを快適に。
東洋医学の知恵とヨガで、心身のバランスを整える
生理中の不調は、食事や生活習慣、ストレスなどが原因で、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスの乱れから起こります。子宮を収縮し、剥がれ落ちた子宮内膜を経血として体の外に排出させるホルモン、プロスタグランジンの影響を強く受けると、腹痛や腰痛などの痛みを感じやすくなりますが、それらの要因には血行の悪さがあると仁平先生。
「東洋医学では、気・血・水が全身を巡り、健康が守られると考えます。運動不足や栄養の偏り、冷えなどで血行が滞っていると、生理中のホルモンの影響を受けやすく、不調が起こりがちに。改善するにはツボマッサージと、気・血・水の通り道である経絡に働きかける運動量の軽いヨガの両方を行い、巡りを整えるのが効果的です。できれば朝、食事の前に行うのがおすすめ。自分の心と体をいたわる気持ちでケアしてみてください」
Q. 生理中、ヨガを行っても大丈夫?
A. 血行を促す優しいポーズはOK!
体に負荷がかかりすぎないヨガポーズで、血液の巡りを良くし、子宮を含む骨盤まわりの筋肉を柔らかく保つのがベター。ただし、経血量が多い日は無理をせず、体を休ませましょう。
Q. 生理中にNGのポーズはありますか?
A. この3つは避けて
①強いねじりなど腹部を刺激するポーズ
生理中はホルモンの作用で子宮が膨張。賢者マリーチのポーズや半分の魚の王のポーズなど、強いねじりで腹部を圧迫すると生理痛が増す原因になることも。
②逆転のポーズ
鋤のポーズや肩立ちのポーズなど、頭が下、足が上にくる逆転のポーズを行うと経血が逆流するので注意。
③難度の高いポーズ
集中力が落ちやすいので、踊り神のポーズや鶴のポーズなどの高難度なポーズを練習するとけがの原因に。チャレンジポーズは生理後に練習を。
生理中の心と体の変化を整えるツボマッサージ&ヨガポーズ
東洋医学では体に経絡と呼ばれるツボの通り道があり、うち12本は六臓・六腑につながり、それぞれが影響しあっています。生理中に起こる不調に関係するツボと経絡を刺激するヨガで、巡りを整えましょう。
《心の不調》
感情も経絡と関係しています。メンタル不調に関わる経絡をそれぞれを刺激し、体を気持ちよく伸ばすポーズで症状を緩和。
イライラする…には
体のサイドにある肝・胆の経絡を刺激して心を落ち着かせて
毒素を排出する働きが強まる生理中は肝臓のデトックス機能が活発になり、肝臓が疲弊気味に。その結果、肝・胆の経絡に悪影響を及ぼし、苛立ちやすくなると考えられています。心を落ち着かせるには脚の両サイドと体側にある経絡を刺激し、気の流れを整えるのが効果的。
【ツボ】
脚の外側にある胆経、内側にある肝の経絡を足の甲から太腿の付け根まで、それぞれ両手でさすりながらマッサージ。
脚の両サイドをマッサージ
photo by Kenji Yamada
胆経は足の薬指から脚の外側面へ、肝経は親指側から太腿の付け根まで、両手でさすって往復させる。10往復
photo by Kenji Yamada
【ヨガ】門のポーズ
膝立ちになり、左脚を左側へ伸ばす。右腿は床と垂直にし、膝下を真っすぐ後ろに伸ばす。両手を腰に当てる。
photo by Kenji Yamada
左手を左腿におき、右手を天井方向へ伸ばす。胸を開き、体側を伸ばしながら上半身を左側へ倒す。反対側も同様に。5呼吸
胸を張るイメージ
photo by Kenji Yamada
教えてくれたのは…仁平美香先生
ヨガインストラクター、日本ホリスティックヘルスケア協会理事、女性のためのヨガ協会代表。セミパーソナルヨガ&整体サロン「WAY TOKYO」主宰。月経血コントロールヨガなど、女性向けのヨガを中心に指導を行っている。