今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
包摂のための超越
今週のさそり座は、より大いなるものへと包み込まれていこうとするような星回り。
『新緑の残響は柩を満たす』(対馬康子)という句のごとし。
掲句は作者と死者の万感の思いが、「柩」を反響版にして静かに、荘厳に鳴り響いている様子を描いている訳ですが、それは同時に、葬儀という人の世の営みが、自然に包まれ迎えられていく、ありうべきプロセスを示唆しているのだとも言えるかもしれません。
あなたもまた、自分の身を反響版にして高まりゆく思いのボルテージを、余計な理屈で捻じ曲げることなく、できる限りそのまま受け入れていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
朝を待つ
今週のいて座は、一番終わりのところから何かが始まっていくような星回り。
柳田國男は『日本の祭り』の中で、「祭りは夜から始まる」と書いていました。「死」の時間帯に籠もることを通して初めて、再生の儀式としての祭りはその本来の意味を為すのです。そして、夜が明けて出し物や山車、神輿などの目に見えるものが現れてくる。
籠もっている間に、生きている人間のできることというのは、「待つ」ことだけなんです。これは人間が治癒していく過程にも重ねられる話で、この時期をすっ飛ばしてしまうと、そこから起きる再生や治癒というものも中途半端なものになってしまう。
あなたもまた、自分なり「待つ」ことを深めていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
日常を愛でる
今週のやぎ座は、あえて温故知新に傾いていこうとするような星回り。
『父の眸(め)や熟れ麦に陽が赫(か)つとさす』(飯田龍太)という句のごとし。
思えば、父と子の関係というのは深い謎のようなものがありますが、これを読むと作者自身は受け継いだものは受け継いだものとして、屈折することなく受け入れており、掲句の「熟れ麦」もまた自分に重ねていたのかも知れません。
あなたもまた、みずからの内部に宿る古さをこそしかと見据えていきたいところです。