「歴史と暮らしのなかの横浜港」をテーマに、さまざまな展示を行ってきた「横浜みなと博物館」。2022年6月にVRシアターの導入をはじめ、体験型コンテンツを充実させてリニューアル!入場料や入館方法なども合わせてご紹介します。
横浜みなと博物館ってどんな施設?
1989年3月に、横浜開港130年を記念として前身となる「横浜マリンタイムミュージアム」がオープン。その後、施設名を「横浜みなと博物館」に改め、横浜港に関する調査・研究、資料や図書の収集・保存・展示を行い、たくさんの人々に横浜港の魅力を伝えるための博物館として愛されてきました。
そんな「横浜みなと博物館」があるのは、かつて「太平洋の白鳥」とよばれた「帆船日本丸」が係留・保存されている「日本丸メモリアルパーク」内。
「横浜みなと博物館」の目の前に堂々と佇む横浜港のシンボル「帆船日本丸」は惚れ惚れするほどの美しさ。昭和5年(1930)に建造された練習帆船で、地球を45.4周する距離を航海しました。昭和60年(1985)に現役当時のまま保存され、内部を一般公開。国の重要文化財にも指定されています。
「日本丸メモリアルパーク」は高台になっている芝生広場などがあり、みなとみらいの景色を一望できる広々としたスペースも。ここでのんびりするのもおすすめです。
入館方法は「日本丸メモリアルパーク」内にあるチケット売り場でチケットを購入するだけ。予約の必要はありません。「横浜みなと博物館」は大人500円、小〜高校生200円、65歳以上400円。ちなみに「帆船日本丸」の内部見学もここでチケットの購入が可能で、大人400円、小〜高校生200円、65歳以上250円。「横浜みなと博物館」と「帆船日本丸」の両方に入館できる共通券は、大人800円、小〜高校生300円、65歳以上600円、さらに小~高校生は、土曜は共通券が100円です。
2つのゾーンからなる充実の展示
チケットを購入していざ入館!入ってすぐの場所に広がるのが「空から見た横浜港」。2000分の1のスケールの横浜港の衛星写真が足元に広がっています。みなとみらいから横浜ベイブリッジ辺りまでは実際に眺めたことがあっても、さらにその奥がどうなっているのかを見たことがある人は少ないはず。こちらは新設されたものではありませんが、リニューアルに合わせて写真は撮影し直したそうです。
メインの常設展示がある地下1階に移動します(※基本は写真撮影NG。特別に許可を得て撮影しています)。
展示は大きく分けて2つ。開港から約160年の横浜港の歴史を7つの時代ごとにたどる「横浜港の歴史ゾーン」と、横浜港のふ頭、帆船日本丸と船員養成、姉妹港・友好港・貿易協力港との交流などについて学ぶ「横浜港の再発見ゾーン」に分かれています。
それぞれのゾーンに新しい展示が増えたことに加え、もともとあった展示もブラッシュアップされているそうなので、リニューアル前を知っている方も楽しめるはず。
時代ごとに横浜港の移り変わりが分かる「横浜港の歴史ゾーン」
「横浜港の歴史ゾーン」でのみどころは「開港前後の横浜」エリアに新設された映像展示「黒船来航」。縦4m、横8mからなる大型スクリーンに映し出されるのは、横浜開港に至るまでの日米間の交渉。ストーリー仕立てで紹介されているのでとても分かりやすく、当時の緊張感が伝わってくるようです。
スクリーンの手前には実際にペリーが来航したときの船の模型も展示。それぞれの船の名前や特徴も一緒にスクリーンで紹介しています。
その後は「近代港の建設」「関東大震災と復興」「戦争と接収」「高度経済成長と港の整備」の各時代ごとの展示を見学していきます。そしてコンテナ船の登場を紹介している「コンテナ輸送時代の到来」に新設されたのが、こちらの「ガントリークレーンシミュレーター」。
横浜港のコンテナターミナルでは、毎日たくさんのコンテナが船から積み下ろしされています。その一連の流れをゲーム形式でリアルに体験できるのがこちら。コンテナを積み下ろす大型の荷役機械であるガントリークレーンを操作して、指定されたコンテナをどのくらいの速度で積み下ろすことができるか挑戦します。無料で何度でも体験可能です。
「横浜港の歴史ゾーン」の最後のコーナーには「よこはま港のやくわり」という映像展示を新たに設置。こちらには壁面いっぱいに映し出された横浜港のリングアイコンに手をかざすと、ふ頭で働くコンテナ船やガントリークレーン、ふ頭に集まる人々が動き出します。
大人も子どもも体を動かしながら学べるので、ここはなんだろう?と話しながら体験しても盛りあがりそうですね。